古き良きグランメゾン アピシウス 有楽町 | 御食事手帖

御食事手帖

主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

時代がかった内装。慇懃なサービス。これぞ高級フレンチ、というべき要素が満載の店である。

なにより、ワインリストが素晴らしい。

狂騰したブルゴーニュなどが、小売りと変わらぬくらいの値付けでオンリスト。

カーヴのストックを育て上げた戦略性とオーナーの心意気を感じた。

 

ただひとつ、料理が・・・、なんというか、十年一日の観が否めない。

 

前菜は、アンコウの肝をフォアグラ風に仕立て、キンメダイのフュメとヒヨコ豆のブリニを添えて。

フォアグラ風に仕立ててあっても、味は真っ向からアンキモである。

不味くはないけど、フランス料理としての高揚感がわかない。量も少ないし。

カナダ産オマール海老のポシェ、レンズ豆とウナギのフュメ 赤ワインソース。

オマールの質は申し分なし。ウナギとレンズ豆も面白いアクセントになっている。

スペイン産鴨のロティ、サルミソース。

これも鴨の量が少なく、食べた気がしない。カリッと焼かれた皮目の風味は悪くないのだが。

ソースは、こう見えて重みがなく、味の奥行が感じられなかった。

デザートやプティフールのワゴンはなかなか壮観。昔のトロワグロ(仏ロアンヌの本店の方)を思い出した。

 

料理は控えめにして、ワインを目当てに、また行きたいものだ。