2013年までパリにいたシェフが昨年始めた店。
向こうでも流行のビストロノミーをやろうとしているのは、プリフィックスの価格設定からうかがえる。
夜は5000円前後のコースとそれ以上の価格のお任せコース、そしてアラカルトがある。
高額店と安価なビストロのはざまにあり、最後の支払いでは中途半端な額になる印象。
ただ、しっかり修行してきた跡が垣間見えるので、今後に期待。
豚のリエット。あえて繊維をしっかり残しているあたりに本場感がある。
前菜、シャルキュトリーの盛り合わせ。イタリアのサラミやスペインのチョリソなど、産地にこだわりがないのは良いこと。ただし、量の少なさは本場感がない。
炙りカジキと有機野菜。これは全くもって、可もなく不可もない。
豚足と豚耳のガレット。これは、パリ右岸の外れにあるビストロの料理っぽさを感じる。
メインは、蝦夷鹿とフォアグラのパイ包み、ポルトソース。
パイ生地のバターの香りが大変良い。フォアグラも程よく溶けていて、火通しもなかなか。ただ、ソースが割と平凡なのは価格帯ゆえか。
フォンダンショコラ。どろーんと溶け出すチョコの濃度もまずまず。
長崎市出身のシェフは腰も低く、感じが良い。
経過観察してみたい店だ。