晴山 三田 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

最近、同じ店へのローテーション訪問が増えている、と自分でも思う。
新規開拓をした方がいい、とも思わぬでもない。
しかし、これを生業にしているプロでもなく、気楽なアマチュアの身である。
新店情報は、書籍出版や有料アプリなどで収益をあげている業界人にお任せしておけばいい。

ということで、最近気に入っている三田の「晴山」へ、また行ってみた。


外はまだ寒い3月だが、早くも初手は冷菜に。
車エビと芹の白和え。春らしい苦みの芹に、胡麻風味の白和えが良く合う。
小ぶりで繊維の細い車エビは、中を上手にレアで残してある。


お椀は、葛打ちのあいなめとうるい。
写真では伝わりにくいが、うるいの葉の黄緑が目にも鮮やか。
軸の方は束ねて湯葉で巻いてある。口中が早春の風味で満たされていく。


造りは初鰹。有明の新海苔にポン酢をかけて食す。
素直な赤身に雑味は少なく、ノリの香りに程よく共鳴をする。


名残の越前ガニ。3月は水温も下がり、特においしいのだとか。


この日の出色。はまぐりうどん。これはうまい。
ハマグリぎっしりの昆布だしには、ほのかに生姜が香る。
上には、ウニとハマグリの身。稲庭に出汁とウニが絡み付いたところをズズっとすすると、鼻孔が貝のミネラルで満たされていく。また食べたい。もっと食べたい。


タラの芽の裏にはホタルイカの天ぷらも。
春らしさを無難に演出した取り合わせ。


白アマダイと鹿児島タケノコの幽庵焼き。
何色かあるアマダイのうち、確かに身が繊細、のような気がする。


これもなかなか、アナゴと蕪にゆず香る餡をかけたもの。
かぶら蒸しもいいが、食感を残しつつやわやわに蒸しあげた蕪も甘くて結構。

この後、竹の子と牛肉の炊き込みご飯。
サシの入った牛肉を入れるというのは、反則技ぎみではあるがうまいものだ。


イチゴとはっさくのジュレに至るまで、毎度隙がないコース。

次回、春真っただ中の訪問が楽しみで仕方がない。