「ふぐ」といえばやっぱり | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

待ちに待った季節が到来。

この時期の最高の楽しみは、六本木「こばやし」のふぐです。
てっさやてっちりを出すわけではありません。
この店を知る人たちの狙いは、「タンドリー」。
店主自らそう呼んでおどける、ふぐの唐揚げです。


これがそのタンドリー。しかもこの夜の盛り付けはタワー風(笑)
他店のふぐの唐揚げといえば、鼻くそみたいに小さいか、安物ふぐのパサパサの身になりますよね。
こんなに気前よく、大きなポーションを出してくれる店を、私は他に知りません。
カリッと香ばしく、ジュワっと瑞々しく、はふはふと熱々で、飲み下すと笑顔がわいてくる。
文句なしにうまいです。


お椀も素晴らしい。ふぐの白子と菜の花です。
炭火でこんがり焼いた白子の端を歯で破ると、中身がトロトロと吸い地に流れ出します。
それをすすると、淡雪を口に含むような食感。海のミルクを飲むような、澄んだコクがあるお椀です。


いつもながら、他の料理もお見事でした。
これは、天然シマアジの造り。寿司屋なら泣いて欲しがる最上質のものでした。
寒びらめも今シーズン最高の味わい。
まながつおの塩焼きにも驚かされました。


驚いたといえば、このシャンパーニュ、ヴァンサン・クーシュの「サンサション1997」が文字通りセンセーション。びっくりたまげるうまさでした。


料理も酒も、とにかく大満足な一夜でした。