




先斗町の分かりにくい路地という立地。
1階のカウンターと2階に座敷があります。
わりと種類豊富なアラカルトが楽しめる気さくな小料理屋、という位置づけです。
店主自ら、「おれはTKOの木下に似ている」と言っておりましたが、まさにその通りです。
実はわたくし、その木下なる人物を知らなかったのですが、スマホで画像を見て、吹きました。
クリソツです。
そんな木下が出す料理。
造りの盛り合わせなどは種類こそ豊富ですが、質は平凡です。
特にシマアジなんかは当然ながら養殖物なので、わざわざここで刺身を食う必要はありません。
むしろ、食べるなら温かい料理でしょう。

ご自慢の鴨饅頭。
餡の味は濃いめ。ある意味、正しい街場の京風。
もっちりした饅頭の中に、鴨のミンチがたっぷり入っています。

こちらは湯葉煮。
湯葉も野菜も半端ない量です。
非常に温まりますし、食いごたえもあります。
こういうのをふーふー言いながら食べてうれしい季節になりましたね。

この店の極め付けは、これ。牛テール煮です。
小料理屋なのに、よくもまあ、上手に炊いたもんです。
まず、テールの質がいい。しっぽの付け根の太いところを惜しげもなく入れてくれてます。
ほろりと崩れる肉と、とろりと溶けていくゼラチンが何とも言えません。
これをちくちく突きながら、ワインをやるのはいいものです。
ただ、お店に良いワインはないので、持ち込ませてもらうしかないでしょう。
木下似の親父は、営業時間中はしっかりしていますが、閉店時に酒が入るとぐずぐずです。
相手をするのは疲れますが(笑)、憎めないキャラクターです。
ごくたまになら行ってもいいかな、と思う一軒です。