鎌倉vs葉山イタリアン | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

2夜連続で由比ヶ浜と葉山のイタリアンへ。
由比ヶ浜は、毎度のイル・ビッライオ。
新規開拓をしようかとも思いましたが、意中の店はすべて満席。
やはりここへ行くしかないのだな、と納得しながら出かけました。

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今回持ち込んだワインは、これ。
トゥア・リータのギュスト・ディ・ノートリ2000.
この店では初めてのイタリアワインとなります。75ドルで購入。

そろそろ飲み頃かと思いきや、開けたてはガチガチ。
タンニンはザラザラし、荒々しい樽香やはじける果実味がバラバラでまとまりがありません。
1時間くらいして、ようやく落ち着きはじめ、熟したカベルネの優雅な雰囲気に、トスカーナの土着感が交差した独特の味わいになっていきました。
熟したプラムやカシスのリキュールに、土くれの香りが混ざったような、面白いニュアンスです。

海外の口コミサイトには、2013年1月のテイスティング・コメントとして「3時間前のデキャンティングを勧める」とありましたが、実に的確なアドバイスだと思いました。

さて、料理の方。

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イワシのカルピオーネ。エスカベッシュですね。
ブラッドオレンジなどかんきつ系がたっぷり入り、フルーティーな酸味が心地よい。
前週の浜寿司でも思いましたが、相模湾のイワシはなかなかのものです。

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これも地物のヤリイカと緑野菜のソテー。
イカの耳やゲソが何ともおいしく、種類豊富な野菜も香りと味が濃い。
オリーブオイルやにんにくの味加減もきちんと計算されています。
見た目は何気ない炒め物ですが、味はサンレモあたりの浜茶屋で出てきそうなレベルです。

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メインは、仔羊。どこの産か失念しましたが、結構香りが強い肉です。
これにたっぷりのオリーブオイルをふりかけると、余分な肉香が収まり、品が良くなります。
オイルが吟味されているからでしょう。青々とフルーティーで、程よい辛みが魅力的。
ボルドーブレンドのワインとの相性は、悪いはずがありません。

イタリアワインをもっと飲まなければ、と思いつつ果たせぬままでおります。
ラベルを読むのが難しい。
良い書籍が、日本語で出ていない。
この2つが大きな問題でしょうか。
ワインブームが去って以降、日本のワイン本出版は先細る一方ですね。
そもそも、まともな書き手がいない。
造り手と心通わせるために、産地を丁寧に巡っている評論家なんて、皆無に等しい。
書店に並ぶのは、なんちゃってソムリエの駄本ばかり。
マーケットはデカいけど、いつまでたってもワイン後進国のままなのは、何とも悲しいことです。

次回は、葉山のイタリアン話を書きます。