




「高くて旨い」と「安くて旨い」では、人はどっちにより大きな感動をおぼえるでしょうか。
もちろん、人それぞれでしょう。
がしかし、安くて旨いの方が、よりプリミティブな幸せを感じさせるように思います。
新宿区内で「安くて旨いフレンチ」といえば、高田馬場「ラミティエ」、神楽坂「ブラッスリー・グー」と並んで、この店をあげるべきでしょう。
料理が安い上に、持ち込みワインもOK、ということでこの夜はカリフォルニアワインを持参しました。

ダックホーンが作るピノノワール「ゴールデンアイ」2007年です。
これ、かなり濃いです。厚化粧のカリピノは、こんな感じなんですね。
樽香がドーンと鼻にきた後から、何かの花の芳香剤みたいなのが攻め込んできます。
口に含むと果実の甘みが相当にあり、タンニンもぎっしり。
10年後には、おいしく熟成しているんでしょうか。少なくとも、今のところピノらしさよりは、パワフル感の方が前面に出ています。
料理は、前菜・メイン・デザートの「ブーケコース」を選択。

前菜は、グリーンアスパラガスと鴨の燻製のサラダ。
なかなかのボリュームです。鴨肉もケチケチしていません。
卵たっぷりのタルタルソースみたいなのが添えられていて、これが日本の洋食っぽい親しみやすさを醸し出しています。

こちらは豚のリエット。
これ、変わってます。玉ねぎを炒めた色でしょうか、すごく茶色い。そして、甘い。
カリカリと香ばしい豚の食感も加わります。ワインのつまみには、それなりにおいしい。

メインは、子羊のロースト、マスタードソース。
見た目は微妙ですけど、肉とソースの相性は良い感じ。羊の強い香りに、ソースの酸味を上手にあてがっています。
この店ではいつも、豚バラ肉のカシスソースばかり食べていましたが、この子羊もまた食べたくなる一皿です。

こちらは、鴨胸肉のシンプルなロースト。
肉質は絶品、とは言い難いですが、無難にまとめています。

デザートもボリュームあります。
この店、ラミティエとは違って、意外に予約も取りやすいです。
おまけに、ワイン持ち込みが2625円(お店の最安値ワインと同額)でOKという使い勝手の良さ。
手持ちのワインを試すのに、ちょいちょい使いたくなる一軒です。