




お店は、もう30年くらいになるのでしょうか。
日本のフレンチ界の歴史を彩る名店ですよね。
わたくしは今のシェフの料理しか知りませんし、訪問も2回目と新参者ですが、いよいよ好印象です。基本に忠実でしっかりした腕前だと感じました。
料理は1万円のコースを選択。
アミューズは、鯛のマリネに昆布のエスプーマを添えたもの。
味は悪くありません。
ただ、料理に泡々、というのもだんだん飽きられてきたような気がしますが、どうでしょうか。
前菜は「フレッシュフォアグラのテリーヌ 形を変えた3種の苺 ピスタチオオイル」。
テリーヌの中に、イチゴが入っていて、ちょっと面白い。味も、フォアグラの質が良く、テリーヌも上手。
フリーズドライなどイチゴに変化を付けていますが、斬新というほどではありません。
前菜その2は「茹でたてのホワイトアスパラガスと春の息吹 マルテーズソース」。
白アスパラに、コゴミや蕨を添えた春らしい料理です。山菜の苦みが味に変化をつけてくれて良いのですが、いかんせんソースにオレンジジュースの酸味と甘みがあって、これが結構うるさい。
シンプルなオランデーズソースの方が良いような気がします。
魚料理は「カナダ産 オマール海老のほうれん草包み 米粉のピューレとココナッツカレーソース」。
料理名から想像するとエキゾチックで目新しい感じがしますが、実際食べてみると、90年代から続く現代フレンチの王道です。これはソースがしっかり良くできていて、安心感があります。
メインは「北海道産仔羊の軽い燻製 ベルガモット風味のジュ 摘みたての春野菜」。
これは、まず子羊が実に良い質。
加えて、火通しが絶妙。
さらに軽い燻製が控えめながら効いてます。
ソースも文句ありません。
これは、最近の子羊料理の中では出色です。もう1本、食べたかった。
1万円のコースとしては充実の内容ではないでしょうか。
グラスワインをそれなりに飲み、フロマージュなんかを食べてしまうと、お支払いは結構跳ね上がりますが、そのあたり気を付ければ、コスパも悪くないでしょう。
再訪が楽しみな「FEU」です。