




食べログなどでは驚くほどの高評価を受けている焼き肉屋。
かねがけどんなものか試してみたいと思っておりましたが、やっと機会が巡ってきました。
本郷三丁目の寂しげな一角に、そこだけ喧騒が漏れ出してきそうなほど活気ある店内がスケスケのガラズ張り。
当然ながら、予約は必須です。
メニューをみると、「裏メニューあり」の文字。
聞いてみると、「いろいろおいしいところを持ってきましょうか」という話になり、「ではそれで」と素直に従ってみました。

とりあえず、キムチとナムル。
キムチは甘すぎ。酸味が足りません。
ナムルはごくごく普通。

焼き物、まずは上タン塩。
歯ごたえといい、脂ののりといい、絶妙なタンです。これはうまい。
ただ、後でおかわりを頼むと売り切れでした。上質のタンは、どこも取り合いですね。



こちらはこの店の名物「野原焼き」なる肉。
薄切りのロース肉に割りしたを絡ませて焼き、生卵をつけて食すというもの。
日本人のDNAに訴求する味です。不味いと思いようがありません。
酒よりはライスにオンでしょう。

焼き肉的な肉の部位名はあまり良く知らないのですが、さがりと称する肉です。
「ハラミの良いところ」という説明。塩味だし、肉もあっさりして噛みごたえがあり、これも好感触。

みすじです。
このあたりから、サシがきつくなってきました。
脂が多くて、頭が痛くなります。歳のせいでしょうか。

ザブトン、と呼んでいました。
これはもう、肉なのか、脂なのか・・・。私のような田舎者には、評価不能な肉です。

シャトーブリアン、だそうです。急にフランス語になりますが、要するにヒレですね。
「つまようじで切れます」というのが、お店のウリ文句だそうで、実際店員さんはつまようじでこれみよがしに切ってくれます。
確かに柔かいのですが、どこかちょっと水っぽく、肉汁にコクがありません。
3枚で9000円超という値段も、はたして妥当かどうか。

肉の合間に妙に美味しかったサラダ。
サシこそ肉のすべて、と思っている人にはたまらない焼き肉屋でしょう。
しかし、シャロレーだのトスカーナだの、草を食って育った赤身の牛肉のうまさを知る者には、別の世界の食い物のように思えてなりません。
表のメニューなら、こういう感想にはならないのかもしれませんね。