




銀座のど真ん中、いつも店先に黒塗りが停まっているお店です。
大正3年に大阪で創業とのことですが、なぜかこちらが「本店」なんですね。
カウンター割烹の走りということですが、お店はビル化して、接待個室は4階までの各階にいろいろあるようです。
入店すると、年季の入った女将さんが出迎えてくれます。
和服を着た妙齢の女中さんとエレベーターに同乗して、個室まで移動。
お座敷なのに椅子席になっている個室で食事をしました。
夜のコースは21000円から、らしいです。
いくらのを食べたのか、定かではありませんが・・・。
最初は、フグの煮凝り(濃い茶色をしてます、フグ皮は少ない)、数の子(さすがにもう飽きてきた)、なますが出てきました。
どれも、本当に無難な味。特徴はありません。
造りは、アサツキを巻いたヒラメのこぶじめ、サヨリ、赤貝、車エビ。
不味くはありませんが、どうということのない刺身です。
お椀は、ふぐの白子が入った白味噌椀。
これは、なるほど関西割烹、という味。
薄味の品のいい汁に、やわやわの白子がたっぷり入っていて美味。
この後は、本当に印象の薄い料理が続きます。
炊き合わせは、筍と蕗とゆばと白魚。
筍は香りも甘みも足りません。蕗は味が濃く、ゆばも食感がイマイチです。
ご自慢の鰈の煮おろしもいただきましたが、はっきり言って、特筆すべきところはありません。
おろし大根がたっぷりですから、年配の方にはヘルシーで受けるでしょうが、わざわざ銀座の高額店で食べたいとは思いません。
締めのご飯は、すっぽん雑炊。
これはさすが。出汁がきれいで、シンプルな旨みが伝わってきました。
2つ入ったウズラの半熟玉子も、良いアクセント。
最後は、イチゴかパパイヤが出て終了です。
女中さんは、隙を見せるとツッコんできます。「次が出ますから、早く食べて」と巻きも入れてきます。老舗特有の現象ですね。
真骨頂はカウンターでアラカルト、だそうなので、一度体験してみたいですが、なにぶん高額店なので遠慮しておいた方がよさそうです。