




森戸海岸を眼前にのぞむロケーション。
マンションの2階部分というちょうどよい高さから、江の島や相模湾越しの富士山を眺めることができます。この眺望こそ、『海狼』の最大のウリでしょう。
冬場は当日でも予約が入りますが、窓側の席を確保するためには、事前のアプローチが無難でしょう。
フカヒレ、なまこ、北京ダックといった、高級中華の定番をそろえた料理。
特筆すべきものはありませんが、しかしどれも無難な味です。

昼のアラカルト。前菜として、棒棒鶏と皮蛋を注文。
棒棒鶏はタレが濃厚で辛め。蒸し鶏も割と上手にできています。

皮蛋は、論評不能なくらい普通。

スープは、上海が二とフカヒレ入りのを注文。
カニもヒレも本当に少ないですが、スープ自体は優しい味わいで、赤酢をたらすと風味が増しました。

一品料理からは、大エビの海狼風辛みソースを試してみました。
衣をまとったエビは、もともと大エビだったのかもしれませんが、小さくカットされているので、小エビと変わらぬ姿。小盆だと、4切れしか入ってないので、あっという間に食べ終わります。

点心として、海老蒸し餃子と春巻きを注文。
餃子の方は、皮が厚くて海老が少ない。
春巻きも、具が少ない。
どちらも、おすすめしません。
最後に、揚げ豆腐の辛みソースが登場。
1000円でしたが、これが一番納得できました。
原価は安いんでしょうがね。
程よい辛みと濃いめの味のソースが、甕から注ぐ紹興酒と良く合います。
しかし、何より大事なことは、窓からの眺めです。
大小のヨットの白い帆がゆらゆらと揺れる相模湾と空の青。
しばし、浮世の憂さを忘れさせてくれます。
無難な料理数品で、紹興酒をちびちびやっていれば、そう腹の立つことはありません。
静かな冬がおすすめです。