海狼 葉山森戸海岸 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

石原裕次郎がここのフカヒレを愛した、という嘘か真か分からぬ話が伝わる高級中華。冬場の天気の良い日に、ぼんやり海を眺めながらの昼餉は悪くありません。陽が長くなれば、落日の夕食も楽しめます。ただ、味自体は、高い割にごく普通のレベルなので、過度の期待をしないようにしましょう。
★★★☆☆


森戸海岸を眼前にのぞむロケーション。
マンションの2階部分というちょうどよい高さから、江の島や相模湾越しの富士山を眺めることができます。この眺望こそ、『海狼』の最大のウリでしょう。
冬場は当日でも予約が入りますが、窓側の席を確保するためには、事前のアプローチが無難でしょう。

フカヒレ、なまこ、北京ダックといった、高級中華の定番をそろえた料理。
特筆すべきものはありませんが、しかしどれも無難な味です。

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昼のアラカルト。前菜として、棒棒鶏と皮蛋を注文。
棒棒鶏はタレが濃厚で辛め。蒸し鶏も割と上手にできています。
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皮蛋は、論評不能なくらい普通。

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スープは、上海が二とフカヒレ入りのを注文。
カニもヒレも本当に少ないですが、スープ自体は優しい味わいで、赤酢をたらすと風味が増しました。

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一品料理からは、大エビの海狼風辛みソースを試してみました。
衣をまとったエビは、もともと大エビだったのかもしれませんが、小さくカットされているので、小エビと変わらぬ姿。小盆だと、4切れしか入ってないので、あっという間に食べ終わります。

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点心として、海老蒸し餃子と春巻きを注文。
餃子の方は、皮が厚くて海老が少ない。
春巻きも、具が少ない。
どちらも、おすすめしません。

最後に、揚げ豆腐の辛みソースが登場。
1000円でしたが、これが一番納得できました。
原価は安いんでしょうがね。
程よい辛みと濃いめの味のソースが、甕から注ぐ紹興酒と良く合います。

しかし、何より大事なことは、窓からの眺めです。
大小のヨットの白い帆がゆらゆらと揺れる相模湾と空の青。
しばし、浮世の憂さを忘れさせてくれます。

無難な料理数品で、紹興酒をちびちびやっていれば、そう腹の立つことはありません。
静かな冬がおすすめです。