京味 新橋 | 御食事手帖

御食事手帖

主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

「東京随一」の名声を誇る超有名高額店。2度目の訪問ですが、しかし前回以上に「?」な印象。これでなぜに1人35000円以上のお支払いになるのか、非常に疑問です。紹介制で予約は3か月待ち、という「枯渇感」とメディアが築き上げた伝説によるインフレではないか、と思わずにはいられません。
★★★☆☆


「紹介がないと入れてもらえない」。
一見さんお断り、というシステムに、日本人は自尊心がくすぐられやすいのでしょうね(朝地も)。
高い割には大したことがないと知りつつも、集蛾灯に吸い寄せられる羽虫のごとく、また新橋の裏路地へ行ってしまいました・・・。

鮎や松茸のない1月は、お店の実力を測るにはちょうど良いタイミングでした。

食べたもの(順不同)

・芋茎の煮物(定番もの。無難にしみじみおいしい)

・こっぺとずわい (こっぺはさすがに良いものを使っていて、身もミソも絶品。しかしずわいは凡庸)

・造り こしびと鯛 (京都ツアー後なので、鯛のイマイチさがよく分かってしまいました。こしびも京都の「阪川」のものと比べると遥かに落ちます)

・八寸 (煮アワビは美味しいけど一切れのみ。子持ち昆布は普通。黒豆はさすが)

・ハマグリしんじょのお椀 (貝の風味豊かなタネ。出汁はやはり濃い)

・伊勢海老の味噌焼き (小さい。全くおいしくない。同席した長崎県出身の友人が鼻で笑ってました)

・ふぐの白子焼き(これも小さい。3万5千円のご利益がない)

・白魚の天ぷら (平凡。京都の香梅揚げの方がなんぼかマシ)

・筍ごはん or はらすご飯 (相変わらず)

デザートで、西さん自らが作る葛きりを食べると、なぜかその魔性のトークに幻惑されて、次の予約を入れてしまう、という人が多いのではないでしょうか。

しかし、京都ツアー直後だけに、私としては前回以上に納得がいかないお支払いとなりました。
私の舌が低俗なのかもしれませんが、しかしいくらなんでも刺身くらい、さすがに良し悪しは分かります。「東京随一」への疑念は、深まるばかりの一夜でした。