




新大久保の駅からごく近くの立地。
ですが、ビルが改装されたのか、地下へ続く入口は極めて分かりにくくなっています。
「韓国料理のメッカ」などと言われている大久保ですが、一体まともな店は何軒あるんでしょうか?
信頼できる在日のグルメは、「大久保は堕落している」と斬って捨てます。
確かに、大久保の飲食店は、ソウルでも観光客の集う明洞で良く見る「何でも屋」が主流。
韓国料理屋の場合、美味い物を出す店はほとんどが「専門店」、というのは皆さん周知の通りですね。
韓国人の食通の友人いわく「メニューのある店は不味い店」とのこと。
おっしゃるとおり、美味しい店は、いちずに力を入れている店ご自慢の料理だけを出しますから、壁に数行の品書きを貼りつければ、それで事が足りるのです。
と、韓国料理の話は長くなるのでこのくらいにして・・・。
朝地の携帯電話に唯一登録されている大久保の料理屋が、ここ「金達来」です。
北朝鮮の研究者に教えてもらった、延辺朝鮮族自治州の料理を出す店です。
「なにそれ、あやしげ」とか思ったあなたは、堕落した韓国料理屋へ行ってください。
なにしろ、ここの羊のロース串は、安くて美味い。たまりません。
薬味につけ込んだ串刺しの羊肉を、客自らが炭火で焼き、クミンと唐辛子パウダーを付けて、ガシガシと喰らうのです。
熱々の肉を頬張れば、心はすっと大陸へ飛んでいきます。
かくいう朝地は延辺にはまだ行ったことがありません。
しかし、この味、この香りは、かつて訪ねたカザフスタンやウズベキスタン、何度も通ったアフガニスタンの土埃を思い起こさせてくれます。
ここのは大変洗練されてますが、各地で食った羊の串焼きは、どこか人間の本能を刺激する味でした。
それに通じるものが、新大久保で味わえるのです。
以下、携帯のカメラしかなく、画質が悪くてすみません。

これがその羊のロース串。1本、158円なり。注文は10本~。

炭火に乗せて、己で焼くべし。好みの焼き加減で焼くべし。

クミンと唐辛子を付けるべし。クミンの香りがオリエンタルな気分にさせてくれます。

付け合わせの「激辛香菜ムチム」は必食です。
パクチーに千切りの青唐辛子、赤唐辛子、ネギを加えて酢などで合えたもの。
めちゃくちゃハンパなく辛いですが、羊との相性は抜群です。涙をこらえて食べましょう。

干し豆腐のムチム。これも酢が利いていてさっぱりしています。そんなに辛くはない。

サイドディッシュの豚肉の辛子炒め。
これもパクチー原理主義者にはたまらぬ一品。青いのはパクチーです。
しょうゆベースの味付けで親しみが持てますが、これも何気にめちゃ辛いです。
一緒に写っているのは、生マッコリ。これで舌をクールダウンしましょう。
この店には「韓国料理」のメニューもありますが、わざわざ食べる必要は全くありません。
また、串焼きは牛ロースなど他の種類もいろいろありますが、あれこれ食べた結果、羊のロース串だけで十分だと思います。わき目もふらず、羊を食べてください。
今話題の?朝鮮族のソウルフード。月並みな世俗韓国料理に飽きた方には、ぜひおススメです。
金達来:http://www.kintatsurai.com/