ミッシェル ナカジマ 鎌倉 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

鎌倉あたりで良いフレンチはないかな?と探したところ、評判が良かったのが「ミッシェル ナカジマ」というお店。オーナーが日系のハーフ、というわけではないようです。
口コミなどをみると、2011年版のミシュランで一つ星を獲得とのこと。さらには、服装はスマートカジュアル、子どもは入店お断り、と結構高めのハードルを設定しています。
仕方なく、ジャケットを着込んで出掛けました。

ところがお店についてびっくり。
マンション谷間に急場で作ったかに見える木造プレハブ風の建物。おまけに、入口は地方の金融機関のようなガラスの自動ドアです。外から中が丸見え。客が来るたびに店内を寒風が吹きすさび、「グイ~~ん」というドアのモーター音が響きます。
さらにいうと、内装は全くもって無味乾燥。レンタルスペースのようです。
客にいろいろ求める前に、まず自らを磨くべし。安普請にも程があります。

と、ここまで厳しいことは言いましたが、料理の方は結構いいです。
コースは前菜と肉料理が選べるプリフィックス。あいだの魚料理は共通です。
5250円ですが、ほとんどの料理が追加料金設定となっています。
このシステムは決してずるくはありませんが、サービス料の10%は感心しません。

ユリ根のタルトレットとフォアグラのポアレ、トリュフソース。
ピュレにしたユリ根がタルト生地の中に敷いてあり、その上に質の良いフォアグラがたっぷり乗ってます。サクッとした生地とねっとりしたユリ根、濃厚なフォアグラの脂が口の中で混然となると、非常に良い味わいです。

こちらは、同伴者が食べた「長崎産トロサバのマリネ。リンゴやビーツと合わせた意欲作ではありますが、一口いただくとちょっと臭みを感じました。リンゴとサバがぶつかるのでしょうか。

Photo by うちの娘です。真鱈白子のムニエル。ロックフォールとポルト酒という相性鉄板の組み合わせをソースにしています。白子の質も良く、火通しも上手。最近食べた洋食系の白子の中では出色です。

魚料理は、手前からキクラゲ、平貝、的鯛、アナゴとサトイモのコロッケ。バジル風味のソースなどがかかっています。
的鯛はパサっとしてイマイチですが、コロッケは沖縄のどぅる天を思わせるねっとり感でなかなかやります。キクラゲも良質。

同伴者のメイン。栃木県乙女牛のロースト、キノコのピュレと赤ワインソース。一口いただきましたが、肉は良いのを使っています。茸も香り高い。良いボルドーを飲みたくなりますね。

こちらは野鳩のロースト、ホットカカオ風味のルーアンネーズソース。
色が何とも言えませんよね。ビジュアルで損してます。
それと、肉の熟成が足りません。若すぎで、ジビエらしい香りがしませんでした。
その点を注文の際にマダムに確認したのですが、要領を得ず・・・。

これ系のビジュアルは好きなのですが、もっと香りが欲しかった。


デザートのモワルーショコラ。中のとろりチョコはいいのですが、外の生地がガサガサでイマイチです。

総じていえば、量はしっかりありますし、味付けも濃厚で好みです。
ただ、ワインリストは貧弱で、マダムはこれまた要領を得ません。
一つ星というのなら、もう少し頑張りましょう。

季節ごとに訪問したいとは思いますが、次はポロシャツとジーンズで行こうと思います。