大きい病院から家に帰る。家まで10分もかからないのだけど。

まずやらなければならないのは、会社への報告と勤務の変更だ。

自分の担当部署のシフトは僕が作成しているので、部下の休みの調整と入院期間の勤務体制を整えていくことにした。

病院に行くために会社を休んだ僕は上司に連絡、部下に休みの予定を聞きながら入院の準備を進めていった。

入院を七月の中旬に予定し、来週の診察時に決めることにした。

病院も一週間から10日間に一回来てくださいと言われているのでそこで入院を決めるのだ。

ステロイドを三日間、点滴で入れていく治療なのだが、不安しかなかった。

「点滴を入れれば治るのか?」

僕の頭の中では

「副作用」

の言葉がリフレインしているのであった。

 

紹介状を書いてもらい、僕は総合病院に診察に行くことにした。

いままでの小さい皮膚科では(町医者)対応が間に合わないという判断を僕が下した

のが本音だと思う。

今回、僕が行く総合病院は過去にもかかったことがあるが、脱毛症の治療では始めてのことで

今後、どんな治療法を進めてくるかもわからなかった。

診療室に入って担当医は僕の頭を見ながら、いろいろと頭皮を確認し

「入院なさったほうが良いと思いますよ。」

「入院ですか?それで良くなるのでしょうか?」

「脱毛症は頭皮に炎症を起こしてしまっている免疫異常が考えられています。

 まずは炎症を止める作業を薬で様子をみます。」

「そうなんですか・・・・」

「で、入院はいつにしましょうか?」

「いや、仕事がありますので・・・。いますぐに、この日からお願いしますとは言えません。

一回家に帰って、家族と相談して、会社のシフトと上司に相談しないと決められません。」

「わかりました。では来週また来てください。お薬出しますね」

 

脱毛症で入院。

ネットではステロイドパルスという治療があることは知ってはいたが

まさか自分にその治療がめぐってくるとは!!!

というか、俺はいま重症な状態なのか?

一度に会心の一撃を2回くらってしまったような感覚が僕を襲った。

脱毛症でもショックが大きく、さらに入院だ。

自分の中で大きく、何かが始まることを予感した総合病院前の薬局でコーヒーを飲みながら

思った午前中であった。

 

 

脱毛症になってしまい、僕は

「原因」

というものを考え始めた。

「原因」というのか「理由」を。

脱毛症の多くは免疫異常が原因とネットでは書かれていることが多く、

もしくは「ストレス」が原因と書かれている。

これを僕なりの解釈で考えていくと

 

ストレスが溜まる→免疫が弱くなる→免疫が異常になる→脱毛が始まる

 

と仮説を考えてみた。

最後はストレスなんじゃないか?と思ってしまうが、このストレスというものが問題だと思う。

目に見えて(この場合ストレスが目に見えることはないけど)ストレスを感じてしまい、

免疫力が弱くなる人もいると思うけど

僕のようにストレスを感じながらも過剰なストレスと感じないまま、心が崩壊していく事もあるのです。

ストレスは自分で思うよりも他人が思うよりも本当の心の奥が大事になっていると思うので

ストレスをどこで感じ取るかが大事になっていくと思うのです。

 でも、仕事をしていると。いや、この世界で生きているとストレスを感じない生活というのは無理だと思うのです。

生きていれば、必ずストレスが発生しまう。いろんなサイトで見ましたが

 

ストレスと上手に付き合う

としか言えないのが現実です。

その脱毛症の原因の中、もう一つの原因が書かれていました。

それは

「梅毒」

梅毒というのは性病のひとつと考えられてます。画像を少し見たのですが昔の写真が使われていまして正直に言って

「怖い・・・・」

と思ってしまいました。日常生活を普通に生きていれば「梅毒」という言葉は基本的には却下なのですが・・・・

なぜか、この梅毒という病名が気になり始めました。

そんな時に朝刊を読んでいると

「若い世代に梅毒がの発症が多い」

との記事が掲載されました。決して自分は若くないのですが気になっていたのでなおさら

真剣に読みました。

これは病院に行こう!気になっているなら行ったほうがいいだろう。

と血液検査でわかるならと病院に行き調べてもらいました。

血液検査は一週間後に解るというので、その一週間はかなりのストレスでした。

結果は「梅毒」ではなかったので、ひとつの疑惑はなくなったのでした。

 

人は誰でも恋に落ちていくものだと思う。人が生きていれば、好きになったり嫌いになったり

しながら生きていくのが人生なんだと思う。

僕はかつて、好きな人と別れて自暴自棄になっていた時代があった。

何をやっても楽しめない自分。

どこかで別れた理由を探す毎日だったような気がする。

「何が?」

「どこか?」

といったような自分を自問自答していくような・・・・

そして、僕は多くの人を裏切って生きていくこととなった。

心がなくなった自分は酷い人間になっていくのだった。ここでは今後そのことを書くかはわからないがとにかく荒れていた。

だから、いまでも自分が失敗したり、追い詰められていくと

「これは、あの時の罪なんだ。まだまだ償いが終わらないのだ。」

と言い聞かせている。

{別に人を殺してしまうような刑事事件的なことはしていないので。}

臨場

というドラマを再放送で見ていてそんな事を思った。

「罪は消えない。殺した人も生き返ってこない。だから罪を犯した人はそれを背負って生きていかなきゃならない。」

そんな事を言っていたと思う。

いまだに脱毛症な僕はまだまだ罪を償っていないのか?

そう自分を追い込んでしまう、僕は立ち直れるのだろうか?

 

「生きていくことは死ぬよりもつらい」

と僕はそう呟くことが多い。

生きていくと嫌なこと、つらいこと、逃げ出したいことの連続だ。そんな連続の中で

少しの良いこと、楽しいことがある。そういった自分にとってのプラスなことがあるからこそ

人はマイナスな事を乗り切っていくのだろう。

時には、どうしようもない現実、許せない問題、嫉妬、ねたみ、誹謗中傷もある。

でも、生きていかなきゃならない。生き抜いていくしかないんだ。

つらい事もいつしか思い出にできる日まで努力するしかない。

頑張れとは言わない。みんな頑張って生きているから。これ以上頑張らなくていいさ。

だから、もう少し考え方や生き方を変える努力だけは怠らないで生きていこう。

ほんの少しだけでもいいから。

 

他人は

「わかるよ。大変だよな。」

とは言ってくれるけど責任はとってくれない。

最後は自分自身で決めていくしかないのだ。

 

僕はこの脱毛症になって本当にマイナスなことしか考えられなかった。

ポジティブな発言の裏には無数のダメージがあった。

「髪の毛くらいで」

と言われたこともあった。

「あんたは良いよ!髪の毛があるからさ!俺は突然なくなったんだぞ!昨日まであって

今日はないんだよ!しかも毎日だ。俺が何をしたんだよ!教えてくれよ!」

その日、僕は同僚にそう言い返した。

相手から見れば、そんなつもりではなかったであろう。

しかし、いまの僕は心がささくれて、いつ感情が爆発してもおかしくない状態だった。

あとで同僚は謝って来てくれた。

僕は

「俺こそごめん。いま俺自身、自分でもわけがわからないんだ。ごめんよ」

というのが精いっぱいだった。

苦しい現実を受け入れられないまま、何かにすがりたい気持ちでいっぱいだった。

人が生きているこの世界では、きっと多くの病気や悲しみがあふれている。

誰もが

「なぜ?」

「なんでだよ!!」

「どうすりゃいいんだ?」

そうやって生きている人も、ものすごい数で存在しているであろう。

病気の大小に関わらずに。

生きていくことは、死ぬよりもつらい。

でも、

死ぬよりも生きてるほうが楽しいこともある!

そう思うしかないのだろう・・・・・