仏壇 | 「ゆるりと仏教」いも掘り坊主の与太話

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「念死念仏 常途用心」
仏さまの御教えを、拙僧のエッセイとともに紹介しています。
ほとんど与太話(^_^;)ですが、法話らしきものも書いています。
つたない文章ですが、笑ってもらえたり、うなずいてもらえたりしたら嬉しいです。
毎週水曜日に更新しています。

親しくしていただいている仏具屋さんに伺った。

 

「墓線香を千本お願いします」「御檀家さんのお位牌を作製していただけますか」「仏像の修理をお願いでますか」

 

普段は、このようにして電話でお願いをした後に、お寺に来ていただくことばかりである。

 

お店に伺うのは新鮮であった。

 

店内に入ると、仏壇が沢山展示されていた。

 

様々なかたちの仏壇があったので、少し拝見させてもらう。

 

昔ながらの厨子型はやはりどっしりとした構えで安定感がある。

 

一見すると家具のようにもみえる仏壇は、「モダン」と書かれてあった。

 

白木で作られていて、とてもシンプルな装飾である。

 

清楚な感じが伝わってくる。

 

ガラス製のものもあった。

 

サイズは現代の住宅事情に合うようにと小型であった。

 

透明なガラスでつくられたものも、磨りガラスでつくられたものもある。

 

いずれにも繊細さが感じられ、お洒落な雰囲気だ。

 

少し前までは、信徒さんのご自宅に伺って読経を勤めることもそれなりにあった。

 

そうすると、立派な仏壇がきちんと設えられているものだった。

 

近頃は、「仏壇を設えられる場所がないので」と、相談を受けることが増えている。

 

そんな時は、お位牌をお寺でお預かりすることとなる。

 

確かに新しいマンションだと、和室や仏間がそもそもない場合がある。

 

仏壇を納めうるスペースはないかもしれない。
 

それでも、お店に展示してあったような小型のものや、デザインが現代風になっていれば、最近の住宅にも設えられるであろう。
 

仏具屋さんのアイディアには恐れ入りました。
 

ただ、マンションでお香を焚くのは難しいのかもしれない。
 

火事になったり煙探知機が作動しては困ってしまうからだ。

 

お経には、仏さまを供養する際にはお香を焚きましょう、と確かに書かれている。

 

しかし、「無理なときには、心を込めつつ臨機応変に対応すればよい」といった教えもありますね。

 

法然上人のお言葉に、以下のお言葉がございます。
 

『問い。花や香を仏にあげますことは。(法然上人の)答え。明け方早く起き、供養法にもとづき必ずお参り下さい。花は花瓶に挿してもよいし、散らしてもよいですから飾って供養しなさい。香は必ずたくようにしなさい。都合悪くできないときは、仕方ありません』
 

【春秋社 法然上人全集第三巻 大橋俊雄先生著p249】

 

ありがとうございました。