1年で塗料はげる 2013年10月14日
ガーデンのセカンドハウスの窓、テラスの引き違い戸、ドアなどには「もくまど」を選びました。文字通り、木枠でできた窓、戸、ドアです。山荘には木製のほうが趣がありますし、色もメープルで気品があり、気に入ったのです。確かにアルミサッシよりも、見てくれははるかにいい感じです。
一流メーカーのガラス製品を使っており、カタログには「断熱、防露、遮熱、遮音、気密性に優れている。防火、耐風、防犯にもよい」と書いてありました。さらに「木は重量当たりの強さは鉄の5倍、アルミの2・5倍にもなる」というのです。設計士もしきりと「もくまど」をすすめます。
ご覧ください。なかなか山麓の住まいには似合っています。
それが一年後にはどうなったでしょうか。冬が過ぎ、山荘にいってみると、「もくまど」の様子がどうもおかしいのです。風雨が当たりやすいところは、塗料がはげおち、木の部分がささくれだっていたのです。ケバケバになっていたのです。たった一年で、ですよ。
カタログを調べてみると、この製品の製造・販売をしている会社の親会社は「旭硝子株式会社」です。「旭硝子」といえば、世間ではまともな会社でとおっています。その子会社「ACGグラスプロダクツ株式会社」が製造、販売をしています。ガラスはもちろん、カタログには「旭硝子が高耐候塗料用フッ素樹脂を開発した」となっていますから、問題があるとすれば、親会社の責任と一体です。
製品の誇大宣伝にのせられたのです。後になって、取り寄せたカタログを読むと、「3-5年で再塗装してください。それも保証値ではありません」とも注意書きがしてあります。そうしたことを事前にメーカーからも山荘の設計者からも聞かされていません。事前の説明をうけていれば、わたしは「もくまど」は避けていたでしょう。
たった一年で、こんな状態になりました。
その会社の相談窓口に抗議の電話をしました。「状態によっては、はやく再塗装するよう注意書きがしてありますよ」、「このカタログだって、抗議したら建設業者が最近になって持っていたものです。あまりにひどいので、直接、こちらにおいでになって調べてください」。
「いえ、そういうことは、いたしておりません」。「その塗料はいくらなのですか」、「1㍑、1万5千円です」、「今、なんとおっしゃいました。なぜそんなに高いのですか。とにかく社内でよく検討して、返事をしてください」、「お約束はできません。そういうことはいたしておりませんし・・・」。押し問答です。
「一年でこうですよ。欠陥商品そのそのものではないのですか」
2、3度、電話を繰り返すと、「それではサンプル用の塗料がありますので、お送りします。ただし、1回だけですよ」でした。しょうがないので、それを送ってもらいました。牛乳ビンほどの小さな容器が1本です。自分で再塗装しました。そしてまた一年、経ちました。一年前、よりひどい状態になっておりました。
情報によると、この製品は販売を中止したとか、聞きました。クレームが相次いだのでしょうか。メーカーからは、何の連絡もありません。
ガラスそのものはよくても、周辺技術が悪いのでしょう。欠陥商品で、企業が大きなダメージを受けるのは、クレームの無視、責任のほほかむり、言い逃れが重なるときです。この会社もこんなことを続けていたら、社会から報復をうけることでしょうよ。