2024年に公開された映画「그녀에게」(彼女へ)を見た。
最初の感想は「韓国っぽい。」だった。
あらすじを簡単に説明すると、何事も計画的に進めて生きてきた有能な政治新聞記者のサンヨンが、待ちに待った双子を出産するが姉弟のうち弟のジウが自閉症の診断を受けて、人生が180度変わってしまう。仕事を辞めて育児に専念するが状況は良くならず、経済的な苦しさ、肉体的な疲労、そして周囲の冷たい視線や偏見や無関心が彼女を苦しめる。障害を持つ子供を育てる母親が葛藤の中進んでいく…。という感じ。
私が韓国に移住して思ったのは、リハビリの種類が多い、そして高いということ。次女が通う発達心理センターのリハビリ価格は以下の通り。40分授業+父母相談10分の計50分だ。
言語治療4万5千ウォン
認知治療4万5千ウォン
美術心理治療5万ウォン
感覚統合5万ウォン
特殊体育4万5千ウォン
音楽治療5万ウォン
視知覚治療5万ウォン
最近のレートで言うと5万ウォンが5,800円くらい。毎週一回でも一か月に20万ウォン(24,000円程度)が必要。首都圏はもっと高額らしい。庶民の私は震える。公費の支援は所得によるが最大月40万ウォン。週に2回通わせるとあっという間に自己負担金が発生する。
映画の中でサンヨンはありとあらゆるリハビリを受けさせる。毎日のように。借金をしてでも。映画の中でこんなセリフがあった。
「リハビリに月に2~30万円投資すれば子供は3,4歳まで発展する。3~40万円投資すれば小1まで発展する。そしたら生きていける。」
このセリフを聞いて、ちょっと脱落しそうになった。韓国のママたちは共感するのかしら。少し前に発達障害児の治療についてのドキュメンタリーを見たのだけど、借金をしながらリハビリをしている家庭は多そう。私の知ってるママは「やれるだけやらないと後で後悔しそうで。」と言っていた。すごいなと思った。私は投資した分だけ結果を求めてしまいそうで、次女が投資した分まで成長しないとイライラしてしまいそうで、身を削るところまではいけなかった。
現在、次女は音楽治療と言語治療を週1回ずつ受けている。まだ発語はほとんどない。最近はPECSのようなAACの方へ向かっている。ゆるくゆるくリハビリに通っている。音楽は次女が成人したとき趣味になればいいなと思っている。
そういえば、少し前に「障害児の母が言われたくない言葉」みたいな文章をSNSで見た。
『子供は親を選んでくるの。』
『乗り越えられない人には障害を与えない。』
こんな感じの言葉が並んでいた。私は言われたことなかった。なぜだろう?と考えてみた。
友達がいないからだ。言われた事がないから、嫌なのかはわからないが友達がいなくてよかった。
映画の中でサンヨンが、同じく自閉症の子を育てるクリスチャンの人に「이 아이는 축복이에요(この子は祝福です。)」と言われる場面がある。韓国はクリスチャンが多いため、この『祝福』も一般的に使われるのか。サンヨンはものすごく不快な表情で怒りをあらわにする。「障害があることが祝福なのか」と。
実は私も言われたことがある。中身はどす黒くても一見すると穏やかで、人当たりが良さそうなデ…ふくよかな私は歩いているとよく教会に誘われる。次女と信号待ちをしている時、布教活動中のおばさまに声をかけられた。次女に障害があることを気づいたおばさまは「イエス様の祝福ね。」と言った。私は言った。「ウフフ。」信号が変わり、私は颯爽と歩きだした。
映画の話に戻るが、サンヨンは社会の偏見や無関心に立ち向かいながらジウを育てる。偏見や差別と戦うために社会に訴えるために自分の髪を剃ったりもする。今の韓国の障害福祉の陰にはそういう熱心な保護者がたくさんいたんだろうと思う。
映画の話をするつもりが、何を書きたいのかわからない日記になってしまった。
まぁ、更年期だし、そういう日もあるよね。
