遭遇編:[1] ITバブル崩壊前夜
今から振り返ってみれば、ITバブルがピークアウトして、ちょうどITバブル崩壊前夜といった時期だったのかもしれない。ひと時、夢を見るために、何人かが集い、そして離散していった。それで終われば、ちょっとした道草程度ですんだ筈だったが・・・、後々まで祟る疫病神とめぐり合うきっかけになってしまった。
2000年の春、秋田県で新会社を立ち上げた、青木義男から会いたいと電話があった。東京にでてきているそうだ。
「網野さん、これから会えませんか。今、神田近辺にいるんですが・・・」
「急だね・・・・・・。3時に神田ならば都合をつけるよ」
青木には以前、簡単なネット通販用プログラムを納めたことがあった。既に作成済みのプログラムのカスタマイズということもあって、安く引き受けてあげた。どこをどう直すとどうなる、と簡単なカスタマイズの手ほどきは無償でおこなっていた。こちらが東京、むこうが秋田なので、その間のやり取りはメールと電話。そんなわけで、実際に会うのははじめてだった。
神田の喫茶店で落ち合って詳しい話を聞いた。中肉中背やや太りぎみといったところか。話の内容は、地方ベンチャーを立ち上げるにあたって協力してくれないかということだった。地方ベンチャーの主な内容は、ウェブ上での予約システム、ノートPCのファブレス生産を二本の柱にするというもの。
ノートPCのCRT部分は180度、回転して対面に座った相手に見てもらえる。客先でのプレゼンにには便利。筐体部分は三分割(ほぼ三等分)し、マザーボード部分、HDD部分、CD/DVD部分を、それぞれ容易に換装できるようにする。特許もしくは実用新案の申請手続きに入っている。制作は台湾の企業に依頼する目処はついていて、創業メンバー(役員)が既に設計に着手しているとのこと。
予約システムといっても、考えられるすべての予約を取り扱う予約総合ポータルサイトだそうな。本社、コールセンターは秋田に置くので、網野さんには東京事務所を任せたいと。