東南アジアは一般的に親日です。
これは長い間欧米列強に植民地支配され搾取されてきた中で同じアジアの日本の侵攻により欧米列強の支配があっけなく終わったことにより、これが独立に繋がっていったことがあります。
欧米列強はアジアに侵攻しますが、その目的は言うまでもなく資源や原料の獲得です。プランテーションなどで原材料を作らせ言い値で買取、本国に送り工業製品を生産した後にそれを高値で植民地にも売りさばいて行きます。
基本的には欧米列強は工業技術を植民地に落とさないので、アジアは欧米に対抗できる工業製品も作れず原材料だけの生産になります。この寄生虫につかれたような状態のアジア諸国は疲弊し貧しくなって行きました。
時にこの不平等な状況に不満を持った人々が発言をしますが、殺されてしまうのが一般的で対抗のしようがありませんでした。白人に従うのが当たり前のような時代が長く続いていたわけです。
ところが突然にアジアの極東に位置する日本が明治維新から僅か30年ほどで産業革命を遂げ中進国までに発展します。アジアの大国の中国に勝利し、白人国家のロシアまでも打ち負かしてしまいます。ロシアに関しては日本と比較しての国力は10:1で勝てるわけもないと思われていましたが、ロシアのバルチック艦隊が日本海の荒波に慣れていないなどで日本海海戦で全滅、満州でも日本軍は多くの戦死者を出しつつもかろうじて勝ちました。その後運よくロシアの革命も重なり、日本はロシアに再び戦争を挑まれることもありませんでした。
そして第二次大戦で日本は連合国軍と戦うことになります。アジアに激震が走りました。不落の城と呼ばれていたシンガポールも僅か4日で落ちます。
短期間のうちに東南アジアに長らく寄生していた欧米列強の軍隊は壊滅状態になり東南アジアは日本の支配下に入っていきました。
日本の軍政下では経済が逼迫し軍票の乱発もおこり現地人にとっても苦難の時代でしたが、日本は現地でインフラを整備し技術を現地に落としていきました。
日本の敗戦後は現地に残り独立戦争に参加し命を落としていった日本兵も多くいます。東南アジアの親日はこの歴史が土台になっています。
しかし、東南アジアにはこの現地人とはちょっと違った華僑と呼ばれる中国からの移民が大変多く住んでいます。現地で生まれたこの人たちの子孫は華人と呼ばれ、東南アジア各国の国籍を持ち経済的に東南アジア諸国で主導的な地位を確立しています。
この人達の日本人に対する思いは複雑です。東南アジア諸国は日本と戦争した意識は非常に薄いです。なぜなら戦っていたのは植民地支配をしていた欧米列強だからです。しかし中国は日本と戦い負けました。そして植民地支配を受けています。
第二次大戦で中国は欧米と組み日本に勝利した戦勝国になっています。その結果、連合国軍の一国として国際連合の常任理事国になっています。
この歴史的観点からいくと中国は決して日本に負けていません。むしろ日本がひどい侵略戦争を起し、それを撃退し勝利したといったことになります。
この状況で東南アジアの多くの華僑が中国本土と同じく日本軍と戦いました。当然ながら戦争なので残虐な事件は多く起こります。
さて前置きが長くなりましたが、同じ東南アジアに住む人たちでも華僑や華人に関しては、必ずしも親日の人ばかりとは言えないと言う事です。彼等の中には日本による残虐行為の歴史を意識する人も多くいます。
時代は変わり日本と経済的関係が強い中で、多くの恩恵を受けている華人もいるわけで、こういった人たちは日本のよいことばかりを日本人の前で言いますが、時に普段言わない本音も聞こえてくることがあります。
以前に2年ほど一緒に仕事をしてきたある華人が、先日偶然会い会話の中でふと言いました。
彼は仕事でヨーロッパ系と日系の顧客を持っています。
華人「あの会社はうちになかなかメインとなる仕事をくれない。」
私「あの会社は自社で設備を持っているから仕方ないんじゃないか。」
華人「いや、白人の経営陣がいけないんだ。アジア人を見下している。」
私「そういう問題じゃないだろう。」
華人「そういえば日本人は同じアジアなのにアジア人を見下している。」
私「何が言いたいんだ。」
華人「若い頃1年日本に研修で行ってたんだ。日本の労働者たちは俺に木の上に住んでいるのかと言ってきた。マレーシアと言っても何処の国かさえ分からない。わざわざシンガポールの隣と説明しなくちゃならない。華人の俺にさえそんなこと言ってきた。そんな日本人も中国系ヤクザを怖がっている。」
大体言いたいことは分かりますが、2年間付き合った間で彼のこのような発言は初めてでした。彼の言っている見下されたことは事実だと思います。しかしそこには中国系であるプライドと日本に対するネガティブな想いが感じられます。
ある仲のいい華人の文房具店に行った時に、そこの華人のお客さんと立ち話になりました。
華人「日本人かい。中国には何回も行ったけど日本には行った事ないな。言葉が通じないから大変だろう。」
私「問題ないと思いますよ。漢字の看板も多いし、英語の表記も多い。そもそも漢字を書けばけっこうコミニケーションが取れる。昔日本は中国に留学に行き漢字を輸入してきたからね。」
華人「そもそも昔中国人が日本に行って原住民と混血したのが日本人だ。」
彼の言っていることは確かと思います。最後のところは弥生人と縄文人を指しています。しかし原住民という言い方に少々感じさせるものがありました。彼は意識していないかもしれませんが、原住民との混血は中華の人とは少し違う雰囲気が感じられます。日本にいったことがない理由も、あまり日本に行きたくない何かの思いがあるのではないかと感じさせられるような雰囲気でした。
非常に仲の良かった日本で学生時代からの華人の友人にも言われたことがあります。「731部隊をどう思う。」との事。
彼とは本当に色々なことを話しました。嫌いな日本人も結構います。しかし、私とはよく行動をともにし日本にいた時から彼のマレーシアの家にも遊びに行きました。
やはり華人としての誇りを持っています。親日ですが、日本の悪いところも直視していました。
親日の東南アジアの人たち。しかしその地に混在する華人の人達は、親日であっても少し違った複雑な想いを日本人に対して持っている人が多くいることも忘れてはなりません。
関連する以前に書いたブログを以下にリンクしておきます。
シンガポール旧フォード工場博物館 http://ameblo.jp/jinend/entry-11586342009.html
マレー片田舎の町ベヌの悲劇 http://ameblo.jp/jinend/entry-11438000551.html