当番制を“頭伴制”に | 地域コミュニティに明日はある

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2組の組長が決まらない。「2組の町会員に集まってもらって、話し合うしかないだろう」。そう言われればそうなんだけど、集まってくれると思えない。2組には110世帯ほどあるが、議題が議題だけに、数世帯の参加が関の山だ。招集する気が湧いてこない。1組でやっている当番制を踏襲するしかないだろう。答えありきで、進めるしかない。当番制をポジティブに考察してみる。

 

組長の人選はこれまで基本的に個人的な伝手(つて)によるものだった。人間関係が希薄になっている時代に、町会の役員になってくれる奇特な人を見つけるというのは至難の業だ。以前、組長を探すのに、私(町会長)は9世帯のお宅を訪問した。すべて断られ、子供会で一緒に役員をやっていたある方に無理無理にお願いして1年限りという約束で引き受けてもらったこともある。町会長が役員を探してくる、というやり方自体がもはや不可能なのだ。

 

数年前、1組は組長の当番制を導入した。10班が持ち回りで1年ずつ組長を出す、というやり方。10年間で一回りするのだが、回ってきたときに班長をやっている人が組長を兼ねる。班長も当番だから、回ってくるタイミングが合わないために組長をやらなくていい世帯があったり、「組長はできない」と引き受けない世帯もあったりで、必ずしも平等ではない。でも、ちゃんと1年ごとに新しい組長が誕生している。

 

2組(12班)も当番制に移行させよう。どうせなら、ルールを明確にしておきたい。

・組長の仕事は班長に広報誌や回覧を配布し、班長から申込書や現金を回収して町会長や会計に届けること

・役員会への出席や、町会行事への協力は任意

・任期は1年

・1班から順に組長をやる(平成30年度は1組、31年度は2組…)

・当該年度の班長が組長を兼ねる

・一人暮らしのお年寄り世帯は組長当番から外す

 

公平性も大事だが、思いやりはもっと大切だ。回覧制度を保持し、町会のつながりを維持するための当番制。同じ仕事をバトンのようにつなぐことで、共感性、会員意識が増し、隣人関係は良好になっていく。地域におけるちょっとしたボランティア活動だと考えて、各世帯が主体的に町会活動に関わっていけば、孤独な当番制も、リーダーシップとフレンドリーシップのある“頭伴(トウバン)制”に変わるだろう。

 

趣味を中心としたコミュニティと、「地域」コミュニティとの違いは、前者がボーダレスであるのに対して、後者が同じ「地域」に住んでいるという縛りからくるコミュニティであるということ。その点、地域コミュニティには「しかたない」部分がどうしても出てくる。「しかたない」部分をみんなで分け合うことで、かけがえのない家族のような関係が醸成されていく。

“頭伴制”が定着し、人任せ主義が後退していけば、やがて町会は町会らしくなる。ピンチをチャンスに。