Suica廃止のインパクト
今や公共交通機関を利用の際には手放せないSuica。
この「Suica(スイカ)」や「ICOCA(イコカ)」などの全国交通系ICカードの運賃決済を
12月にも取りやめる方針を出したというニュースを目にしました。
この取りやめの理由は、25年3月に迫るカード読み取り機約900台の更新費用に
計12億1千万円かかるというのが理由とのこと。
この更新費用は確かにかなりの金額ですし、
加盟店側からすると他にも多くのキャッシュレス決済手段がある現状では、
Suciaにこだわる必要もないのかもしれません。
ただし、決済サービス提供側から見たらどうでしょう?
PAYPAY等のスマホを使った会社の多くはまだキャンペーン等を使って、
自身の収益を削ってもサービスを世の中に定着させるための段階である会社が大半で、
現代会では決済サービス単独での黒字化というよりも、
自社グループの他のサービスへの誘導手段という役割が大きい状態であることが考えられます。
しかし各社もいつかは単独事業での黒字化を狙っていると思いますし、
そのためにはいつまでもこれまでのようにキャッシュバックキャンペーンを続けることは難しく、
確固としたブランド力を築いて、
安定的な収益源を確保する必要があります。
その点、Suciaを始めとしたは交通系ICカードは事業単独での収支が黒字となっているかは定かではありませんが、
大したキャッシュバックキャンペーン等も必要とせず、
交通機関に乗るときの支払い手段としての絶対的なブランド力を築いていて、
ジャンルは違えど他の多くのキャッシュレスサービスにとっては参考とすべきサービスであると思います。
ただ、交通系ICカードは今回はその絶対的なサービスフィールドである公共交通機関で、
決済手段から外されてしまいました。
キャッシュレスサービス提供の為には、
決済システムの開発費、保守費に加え不正対策を行うための費用もかかります。
これらの費用が常に発生する上に、
ブランドを築いていても、
後発のサービスでより有利な条件で利用できるサービスがあれば
乗り換えられてしまうという前例を目にして、
キャッシュレスサービス提供会社の
キャッシュレス決済事業単独での黒字化するための計画に大きく影響を与える可能性もあるかもしれません。
生活者視点では、
今後各社がどういう動きをしていくのか、
引き続き注視して、
上手く各サービスを利用していきたいところですね!