これはすべて私の主観で、私からのみの視点で思うこと。

私は決していいお母さんではなく、器もまぁまぁ小さい方で、子育てに向いているタイプではない。夫に尽くす妻でもない。

それを自分でも分かった上で、私の気持ちを記録として残しておきたいので綴ることにする。




我が家は、癌が見つかるまでは、世に言う『ワンオペ育児』の家庭だったと思う。


夫は子どもが産まれる前も後も変わらず同じように仕事をし、友だちと付き合い、上の子が1歳の時は自分の習い事へ行き、その空いた時間で『最高のお父さん』をしてくれていた。


私は育休中、世のお母さんが当たり前にそうするように、100%子どものために毎日を過ごしていた。

今思うと、仕事こそしていなかったけど、あの頃が子育てのストレスのMAXだったと思う。恥ずかしながら、当時そのストレスの矛先は子どもではなくすべて夫だった。男性の育休なんていらないから定時で帰ってきてお風呂入れてやって欲しいし、子育て世代の男性は飲み会ゼロにして!夫と一緒に対等に子育てしたい!!と思っていた。

(夫はもちろん育休は取っていないし、考えてすらいなかった)


仕事復帰してからは、時間との戦い。

仕事以外の時間を家事育児に全力投球、でも全然足りなくて、週末はやり残した家事が山盛り。でも夫は早起き&お出掛け大好きで体力もあり、家族であちこち出掛ける休日も、平日と変わらず忙しい毎日。。

子どもと離れる時間ができたことで心に余裕は持てたけど、身体は結構キツかった。

「休みの日は『身体を』休める日、にしようよ〜」とよく言っていたのを思い出す。


元々私の方が全然体力もないし、一生付き合っていかないといけない基礎疾患もある。いくら寝ても疲れが取れない私と違ってショートスリーパーでエネルギッシュな夫は、ほとんど風邪もひかず、長距離運転しても疲れないし、どこからそんな体力が?と不思議に思っていたけど、それに頼っている部分もあった。


コロナ禍で在宅勤務になった時に「お味噌汁作ったり掃除機かけたりしてくれたりするー?」と聞いたことがあったけど、「在宅勤務は、家におるけど『仕事』だからなぁ」と言われた。つまりは、自由な時間は全くないから家事の手助けはできないよ、ということだった。

いやいや通勤時間浮くんだし、私より時間の余裕がないわけがない!私が家にいる数分でこなすことなんだからできるでしょ!!!と思ったけど、喧嘩になると嫌だったので飲み込んだ。


実際、家に帰ると何故か近所の義実家から持ってきただろう荷物があったり、買い物に出掛けてた痕跡があったり。「昼休みにちょっと行ってきた」とのこと。いや、その時間あるなら出来る家事がなんぼほどあろうか、、、という言葉も、当時は全部飲み込んだ。



そして癌が発覚。



以上、書き連ねてきたことはもう全部どうでもよくなった。

夫に生きていて欲しい、ただそれだけ。

子どもたちは、元気でいてくれたらそれでいい。

命があればそれでいい。

まさに、生きてるだけで丸儲け。


夫は仕事の第一線から退き、頑張っていた昇進試験も闘病のため辞退。空いた時間は100%子どもたちのために費やすようになった。


夫が長期間入退院を繰り返してる間は、子どもたちのお風呂は義父がしてくれて、休日は実母が子守りに来てくれた。


夫は夫で、最後の手術から回復して動けるようになってからは、平日もちょこちょこ家事をこなしてくれるようになった。私もそれに甘えて「今日は●●と○○しといて〜」などと注文するようになった。

(今では、金曜日のメインのおかずは夫が作る事が多くなった)



本当に、今の私は恵まれていると思う。



前まで完全ワンオペだったお風呂も夫が毎日アシストしてくれるし、子どもとほぼ同じ時間に寝ても家事が十分にこなせている。

休日も、コロナ禍のためお出掛けしなくなったし。

(もちろん、子どもたちにはたくさん色んな経験をして欲しいし、させてあげたい気持ちはある。けれど同時に、超インドアで疲れることを一切したくない私にはコロナ特需といった感じ?)

以前の生活とは考えられないくらい余裕があると思う。



でも、何故だろう。たまに些細なことで感情が抑えられなくなって大泣きしたりしてしまう。

大爆発!してしまう。

こんな大人気ない人間ではなかったはずなのに。

子どもが成長するにつれて、その過程での悩みやストレスが蓄積されてもいるんだろうけど、そんなこと贅沢な悩み!と分かっている。


この闘病の先、どうなるか分からない不安や、健康な人と同じようにはいかない夫との暮らし。

器の小さい私には抱えきれない、でも投げ出すことはできない何か大きなものが絶対にあると感じる。



夫に「いま、不幸せ?」と聞かれたことがある。

幸せだよ。家族がいて。家族で暮らせて。

夫といられて。大好きな夫の子どもたちがいてくれて。



でも、やっぱり、夫に、癌になんてなって欲しくなかった。



母親がワンオペでも、夫が仕事>家族でもいいから、ずっと健康でいて欲しかった。