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少年サッカーよもやま話し

とある少年サッカーチームに属するコーチの体験談。
いい意味でも悪い意味でも少年サッカーにおけるよもや話しをしていきます。

息子から珍しく、突然の電話が来た。


「ジュニアの団子サッカー、なんでああなるかわかった気がするわ」


息子は大学に入学して以来、ジュニアチームのコーチをしている。

まだ学生なのでアルバイトという身分であるが、指導者不足で悩むクラブチームのオーナーが、大学の先輩を通じて、学生コーチの助っ人が欲しいと依頼して来たのだという。

その先輩は、将来指導者の道を目指している息子に、勉強になるから学生コーチをやってみないかと誘ったのだという。

アルバイト料も出してくれるようなので、息子はジュニアの指導も勉強になると思い引き受けた。

息子は週に2回程、低学年から中学年(4年生まで)を担当し、トレーニングに影響の出ない範囲でジュニアのコーチをしている。

そんな最中に息子から団子サッカーについて電話が来たのだ。


息子「ジュニアの団子サッカーな、あれコーチの声の掛け方(指導の仕方)によると思うわ。」


息子言わく、コーチの指導の仕方に問題があると言う。

どういう事か聞いてみた。


息子「基本的に小学生は純粋で素直。低学年はなおさら。大人、特にコーチの教えてくれる事は絶対正しいと信じ込んでる。

だから、コーチの言う事は間違いないと思い込んでるから、コーチの言葉通り受け止める。

そこで考えて欲しいのが、コーチが小学生に声かける時どう言ってるか。


◯ ボールを持てばまずはゴールを目指せ

◯ 無理な時はパスも考えろ

◯ 味方をフォローしろ(助けろ)

◯ スペースを見つけろ

◯ 声を出せ

◯ 考えてプレーしろ


位違うかな、低学年に言うてるのは。


低学年の子らは皆真面目にコーチの言う事聞くから、言われた通りの動きをゲーム中にする。


例えば、ボールを持った子がいたとする。どうなるか。

ボールホルダー思考

ボールを持つ→ゴールを目指す→行けると判断する→ドリブル開始→スペースに向かいドリブルする→味方がみんなついてくる→味方とぶつかる→味方やのにドリブル邪魔された。


このシーンが味方からすると


ボールを持ってない味方の思考

味方がボールを持つ→ゴール目指さなきゃ→あの子ドリブルするかな?敵が取りに来てる!→危ない取られる!味方を助けなきゃ→空いてるとこ(スペース)どこだろう?あった!→スペースに走りパス貰おうとする→ボールホルダーとぶつかる。


この子らはコーチの教え通り自分で考えて選択したプレーやねん。

教え通りゴールも目指してるし、味方を助けに行ってるし、スペースにも動いてる。

決して邪魔してるんじゃないんよな。

しっかり声出しもしてるんよ、みんなヘイ!ヘイ!やけど笑。

みんなが同じ動きをしてしまうから、フォローに行った時に団子になってしまうし、同時に敵も引き連れて来るからぐちゃぐちゃに見えるねん。

ボールホルダーは自分で行けると判断してドリブルしたけど、味方は取られそうになったからパス貰おうとしてる。

小学生は体が小さい分距離感も近いから、フォローに行けば自然とボールホルダーと近くなってしまう。

だからボールに密集してるように見えるねん。

ボールが目の前にあると足が自然と出てまうしな。


それだけなんよな、意思疎通が出来てないだけ。

でもそれは難しいわ、俺らでも難しいもん。」


息子のプレーヤー目線でジュニア選手に感じた事。

ジュニアの選手たちにとってコーチの影響は大きい。

言う事は絶対正しくて、純粋に信じ切ってる。

だからこそ、個々具体的に分かりやすい言葉で説明してあげる必要があると言う。


ゲーム中に、まずはゴール目指せ〜!味方のフォロー〜!スペース〜!声出せ〜!等々、がなり声で怒鳴る前に、指導者自身が冷静になって言葉を選ぶ必要があるだろう。