できたよ!
さて皆さま、お久しぶりである。
甥も生後八カ月を過ぎ、おすわりもできるようになり、かわいらしさもいや増している今日この頃。
わたくしども夫婦にもようやく子どもができました。
まだ三カ月目ぐらいなので安定はしていませんが、もう手とかできてきました。
結婚してふつうにしてりゃすぐできると思っていた子どもだったが、意外となかなかできず、さすがに焦りだして一年半ほど病院に通い、五月ごろに一度流産したものの、その後、二カ月目での妊娠だった。
この間、タイミング法から人工授精に切り替え、これでダメだったら次はいよいよ体外受精に踏み切ろうかと考えていた矢先だったので、いろんな面でよかったものだ。
ちなみに人工授精というのは、薬などで体調を整え、確実に排卵するときに確実に元気な精子だけを集めて直接子宮に送り込み、確実に着床するように注射とか薬を飲んだりするのだ。ちなみに石田の妻の東尾はテレビで精子のケースは冷やしてはいけないので胸の間に入れてあっためて持っていくと言っていたが、わたくしがもらった紙には「冷蔵庫で冷やさないでください」と書いてあっただけなので、それで大丈夫だとおもう。あと、「傾けたりしないでください」と書いてあったのにうっかりひっくり返してしまったこともあったが、問題視されたことはなかった。神経質になりすぎるのはよくない。――ともあれ、そんなに完璧な準備をしたらもう妊娠するしかないと思うのだが、それでもやっぱり妊娠しないときはしないのだ。
ていうか、妊娠なんてたぶんしようと思ってできるものではないというのがわたくしの見解だ。やっぱり万全を期して臨んだ二度目の人工授精で妊娠しなかったとき、わたくしは「子どもは天からの授かりものなのです」という真理を本気で悟ったものだったよ。
でも、聞いたら人工授精の妊娠率はふつうの妊娠率とほとんど変わりないんだって!
(10%から15%ぐらい。排卵のときに精子をゲットすると八割がた妊娠すると保険の授業で習った気がしていたのですが、それは毎月そうしていると、一年で八割ぐらいの人が妊娠するという意味での「八割」だそうです)
そして、妊娠したときというのも、ほかのときと何をちがうことをしたわけでもない。
さらにわたくしの担当医は男性と女性の二人で、人工授精もその二人のうちのどっちかが行うのだが、男性の先生の場合、どうも処置以外のことに無頓着なようで、若干手つきが荒っぽい。今回もその先生で、処置を受けながら、(痛いし。もうちょっと気を使ってくんなきゃ、こんなんじゃぜってー妊娠なんてしねーよ!)と思っていたのにそれで妊娠したので、もう妊娠なんでどうやったらするのかなんて、だれにも分からない。
ダーリンの薦めで「ショウキ(タンポポの根っこのお茶ですって!)」とかナツメの薬とかを飲んでいたのだが、真面目に飲むようになって半年ぐらいで最初の妊娠があったといえば、そのとおりです。
流産のときは六週目ぐらいで細胞分裂に失敗したらしく、けっきょく卵胞の中身ができていなかったという状態だった。わたくしは、不妊にとってこの事態をどうとらえたらよいか悩んだものだったが、母と義母と妹の三人からそれぞれ第一声で「あ、じゃあ次はまたすぐできるね!」と言われ、そういう位置づけなのかと思ったものだった。
さらに、不妊相談の勉強会をしているダーリンのお友だちからも、「これで奥さんは自然の状態で受精し、着床することがわかりましたね。よかったです」と的確な指摘を受けたものだが、本当にその後すぐに妊娠したのでびっくりしている。
なにせこう見えて、わたくしは子宮内膜症と卵巣のチョコレート嚢胞というのをかかえているのだ。病院で検査を受けて初めて知った。先生に「生理痛とかひどくありませんか」と聞かれたのだが、わたくしはほとんど生理痛がない女なのだ。ちなみに妊娠するためのホルモン剤や注射の副作用もほとんどなく(まだ序の口だったせいかもしれない)、話に聞いていた身体的な負担はほとんどなかったのがありがたかった。
付け加えると、先週、焼き肉屋でホルモンとかクッパとかをいつものカンジでもりもり食べているわたくしを見て、ダーリンが「あなたはつわりとかないのね…」とつぶやいていらした。ジン家では、おかんも妹もつわりを経験してこなかったらしいので、わたくしもそうなのかもしれない。
ちなみに、これまでは不妊治療のために専門の病院に行っていたが、妹のことがあるので(←出産直後に盲腸)、出産は総合病院ですることにしたよ。
その妹は、わたくしとほぼ同時に二人目の妊娠がわかったものの(←姉のわたくしとちがって相当妊娠しやすいタイプらしい)、一度目のわたくしとおなじ状態で流産。わたくしは手術で出したが、妹は手術をするつもりでいたものの当日の朝に自然に出てきたらしい。
「なんか胃みたいなのが出てきたよ。ひょっとして胃かなと思ったもん」
そうなんだ……。
わたくしの流産手術の話はまた後日。