愚かな夫婦
先日、出勤前の夫がふと思い出してわたくしにのたまった。
「そういえばあなたっ! このまえ、うちのお客さんが○○(市街地)であなたのこと見かけたって言ってたけど、どこかの男と会ってたんじゃないでしょうねっ!?」
わたくしは、駐車場が少なくて車を停めにくい市街地には滅多に行かない。
ちょっとした用事をすませるために、数百円を余計に払わなくてはならないなんてぞっとする。
だがこのまえ、いかにも主婦が男と逢引きしてそうな平日の昼間に、わたくしが市街地へ出かけた記憶は、たしかにある。
そして、
「わたくしが○○にいたのは、ダーリン、あなたが壊したキャッシュカードのことで銀行へ行ったからよ」
ちなみにわたくしは、そのとき慣れない場所に困惑したあげく、通りをはさんで銀行を背にするかっこうで、お巡りさんに「××銀行はどこですか?」とたずね、「そこです」と指摘されていた。
わたくしは振り返り、銀行のロゴを確認した途端、「あれっ!?」と言った。
ところでその若いお巡りさんは、すごく華奢で大人しそうに見えたが、警察学校で凶悪犯と戦うための訓練をちゃんと受けたのだろうか?