モンシロチョウって知ってる?超メジャーな蝶なんだけども。あれって北海道で短い夏を謳歌し、生命の鎖を懸命に繋いでいるんだ。
夏の北海道を走るとたくさんのつがいの蝶を見る。懸命に生きようとしてるの裏切るかのように、容赦なく通り過ぎる車やバイク、トラックに叩きつけられ一瞬で命を失う。
叩きつけられ、二度と舞う事は無い、地面で風に羽を動かされるその相方を、いつまでもフェロモンに惹かれ離れられず、その周りを飛び続けるんだ。
セコマで、30年くらい前の最新のオフ車に乗る、かつての若者に出会う。これから支笏湖、それからどうするかはまだ決めてないという。
色褪せた大きなメーカーロゴが入ったジャケットをまとい、禿た頭をさすりながらそう答えた。
おれだってそうだ。得体のしれないフェロモンに導かれ、いつまでも北海道参りをしてしまうんだ。
その日酔っていたおれは、おれはモンシロチョウだ!唐突に言うもんだから、連れは何言ってんだこいつと笑ってた。
自分が生まれて来た意味を探し答えが見つからず、その意味を遺伝子を繋ぐことで意味の先送りをして満足して死ぬも良し。どんな人生でもこれで良かったんだと確信して死ぬも良し。
この世界は素晴らしい。
自分が存在しようがしまいが素晴らしい。
何でもない道さえ輝いて見えた。
目が後ろにもあればいいのにと思ったほどに。
今日はあいにく雨が降ってますね。
そうか?そうだな。
つらいと言うのはあくまで感情で、
雨が降ってようがいまいが、変わらずこの世界は素晴らしいんだ。
30イイネがついたらまた酔ったような文書くから気を付けるように