XJR400の修理をブログに残しておいたのに消してしまったようだ。
内容を思い出しながら超絶かいつまんで残しておく。
預かった内容としては「エンジンが暖まると2000回転以上吹けない、アクセルを戻すとエンジンが止まってしまう」こんなとこ。
尾ひれはどんな前後があるかわからないが、自分でインシュレーターを交換した。キャブをオーバーホールした、それも聞いてる限り完璧に。
追加でオイル交換とタンクのコックのパッキン交換とヒューエルゲージの配線修理をしておいて。
結果、これが原因だった。
オイルが4リッター近く入ってる、それもシャバシャバな。
こうなった原因はなんなのか?ここからは推測でしかないが、まずこの車両はインシュレータを交換する前から調子が悪かったはずなんだ。調子が悪い理由をインシュレータのヒビからエアを吸ってるという判断でインシュレータを交換した、ついでにキャブのオバホ。
同調も取ったし、プラグも交換した。なのに暖まると吹けないという症状は改善されない、完璧にオバホをしたはずなのに。
まず、完璧にオバホが出来てない。キャブを外して点滴からガソリンを送りしばらく様子を見てるとニードルホルダーのあたりからじんわりとガソリンが滲んで来てる。この滲みの量ってのが曲者で、10分見てても1滴以下とかそんな程度の極少量。まずここよ、フロートバルブのホルダー側のOリングが弱いんだけど、ここを交換してない。でも、これだけじゃ調子が悪いまで行かないはずなんだ。
じゃあなんでオイルの量が増えるほどオイルにガソリンが混ざってしまったか?それがタンクの燃料コックに原因がある。
XJRには負圧コックというものが使われてる。ONの状態でもピストンが動いてインマニ内に負圧が発生した時だけガソリンがキャブに落ちる仕掛けになってる。
これはコックでガソリンを止め、キャブでもガソリンを止める2重の構造なんだけど、カブなんかはONではいつもキャブまでガソリンが落ちることが出来て、ガソリンを止めたい時はOFFの位置にコックを持ってくる。
負圧コックならなばONの位置で燃料ホースを抜いてもガソリンは落ちてこないことになってるんだ。
ここよ、コック不良でガスが止められないことを知っていたからコックのパッキン交換もついでに頼んだんだ。
これで全て理解出来た。コック不良でいつでもキャブまでガソリンが行くことが出来る状態だった。キャブは極少量ながらオーバーフローをしていた。バイクを乗ってない時でも常時極少量ガソリンがキャブからインテーク、シリンダー内を通りオイルパンまでガソリンが到達。気が付かないうちにエンジンオイルにガソリンが1リッター以上混入し、エンジンが暖まると調子が悪くなるほどエンジン内部にガソリンが充満していたということになる。
苦言を言う。このXJRは持ち主に修理を依頼されたんではない。修理の依頼をされた人が、どうにもならずおれに修理を頼んだ。
状態を聞くと、何を聞いてもそれはやったとかそれは知ってるだとかという返答が来る。だいたい話半分でその会話の中から現状だけを判断するようにはしてるが、思い込みで状況を複雑に考えすぎてる、割に、そこまで知識がない。
不思議な事になってると思ったら、それは理解が出来てないと考えた方が解決が早い。それと現状の把握ね、これ大事。
それはそうとXJRってめちゃ整備性がいい。キャブの脱着とか4発でこんな簡単に出来ることに驚いた。同調取るとかやりやすいは分かり易いは事前準備は少ないはで欲しくなったくらい。いいバイクだなこれ。