母を偲ぶほおずきの音色を随分と聴いてない。母がよく鳴らしてくれていた。橙色の房腹の中に輝く珠。爪楊枝で中身を出して風船にする。母の頬の中で音色を奏でるほおずきの風船。幼い頃に何度も作り方を学ぶのに母みたいに上手く作れなかった。私の事を「ちび」と呼んで可愛がってくれたね。「ちび、ほおずきの珠はすぐに壊れてしまうからね、優しく膨らますんだよ」ほおずきはどうしてあんな不思議な音を出すのだろう?鳴いてるみたいな。夏になると鳴くのか。お母さん、ちびはいつまでたってもほおずきを鳴らせないんだ。ほおずきの音色をまた聴きたい。