人生は一度きり


それは誰でもそうなんたけど、その人生の道を、どこでどう?

区切りをつけるか?でも見方はかわる


去年浅草の店をやめて、手当てに専念すること数ヶ月


もう店をやることはないと、自分の中ではそういう答えを出してた


はずなんだったけど、さ


ほんの数日前、知り合いのもと高級官僚さんからの、一本の電話から、それは始まった



ほんとね、何年ぶりだろ?この人から電話をもらうなんて?



マリーナでは良く会ってたんだけどね、電話はホント、久しぶり

ヨットに何かあったのかと思ったよ(笑)




「めずらしいてすね、どうしたんですか?」と、私

するとさ、その人、ちょっとごきげんな声で、こう答えた


「今、新橋に飲みに来てるんだけど、ママさんが店辞めるから、引き継いてくれる人探してるんだよ

白川さん、やらない?」と、言うんだよ


は?またなんで私に?とは思ったけどさ、それは口には出さずに


「まあ、見るだけなら。はい、行きます」と、答えた


なんだろな、なにか動き出すときって、大体思いがけない人の一言で始まるんだよな


数日後、新橋駅で待ち合わせしてさ、その店に行ってみた


3坪の店内に居たのは、ママさんと数人のオッサン

各々自己紹介をしてるのを聞いてると、みーんな高級官僚さん


(オレ、場違いやな)そうは思ったけどさ、まあなんとかその場をやり過ごしてさ、帰って入居条件の提示を待った


数日後、ママさんと知り合いのもと高級官僚さんから2つのメールが来た


内容はこんな感じ


「新しい大家が中国人に変わっていて、とんでもない条件を出してきた

3坪の店なんだけど、家賃60万だと」


え、、、

は、、、?


もう、笑うしかなかった


すごいねえ、チャイニーズ


そら確かに新橋の超一等地

これ以上の場所はないってとこなんたけど、まさかのまさか


笑ってお断りしたよ、はい



元々ねえ、もう店をやる気はなかったんだけど、お世話になった人からの話だから、とりあえず行っとこか、なんて気持ちだった


だから、これでそういう話とは離れようと思ってたらさ、なんだかわからないけど、ちょっと場所だけ見てみようという話になって、行ったんだよ


田園調布(笑)


なんで?田園調布?


さあ、なんでだったんだろ?

なんでそう思ったんだろ?



わかんないけとさ、行ってみた、多摩川駅にね


駅前にさ、一軒、小さな不動産屋さんかあるんだ


その前を何気なく通り過ぎようとしたら、店頭に貼ってある賃貸物件に目が行った


事務所相談?

へえ、家賃高くないな、どこだ?って、所在地見るとさ

田園調布一丁目、しかも一階って書いてる


うっそお、だよ




(次回に続く)