ナニワ悪名伝無事終演いたしました。

ご来場いただきましたお客様ありがとうございました。

出演者、スタッフ、萩庭監督には感謝しても仕切れません。


色々な事がありましたが、皆様のお力で無事に公演が終了できた事、ただただ感謝しています。


お声をかけてくださった河西さん、チームKASAIの皆様、本当にありがとうございました。


自分自身では反省やら色々な思いがありますが、それはここに書くのではなく、自分自身の今後の頑張りに繋げていかなければと思います。


今回初舞台の若者もたくさんいて、自分の初心も思い出す事が出来ました。

思えば初めて芝居をした時、本当に不器用で、怒られて、役を降ろされて泣いたり、自分は本当に役者に向いてないと嘆いていました。

才能のある人たちはどんどんと上に行くかすぐに見切りをつけて辞めていきました。


いつの間にか脚本も演出も自分でやるようになって、役者も続けて、去年からは照明も音響も自分で学んでやるようになりました。


自分でこれだけはわかっていると思っているのは自分には才能は無いと言う事、それでも食らいついて気がついたら芝居に関わった事だけが仕事になっていきました。


本番の余韻に浸る間もなく次の公演の稽古と新たな台本執筆が始めります。


今回の公演は店を継ぐとか亡き父のエピソードなんかが含まれていたので自分の父の事をよく思い出しました。


そして、7月は僕の父の命日があります。

実は今回の脚本の元は僕自身のエピソードが多数含まれていました。

台本を書き直す中で変わっていきましたが僕の父は僕の武術の師匠であったり、道場を弟や母親が守ってくれていたり、

これは蕎麦屋のエピソードに含まれています。

改定前の台本はまんま佐竹の人生を蕎麦屋に置き換えていたり、色々な事を思い出した公演となりました。


父が残してくれた武術の型を解説したノート、病室で誰もいない時に書いていたようで、亡くなってから見つかりました。

そのノートは最後まで書き切れておらず、途中で終わっていました。

父が癌で亡くなったのが今から19年前、僕が23歳の時でした。

僕はその時病気の父を折り合いがつかず家に帰らなくなっていました。

父が病院に入院した時には家に帰っていましたがなんとなく気まずかった記憶があります。


父が他界した時もなんども母から送られてくるメールに僕はすぐに帰らずにいました、最後に「お父さんもうあかんかもしれん」と書かれたメールを見て、慌てて帰りました。

父はかろうじて息をしていましたが、意識はなく到着してすぐになくなりました。


父の闘病生活は2年間。その間に反発しながらも渋川流柔術の免許皆伝までの全ての形(型)と口伝を教えられました。


死ぬ前日に父にあった時はまだ意識もあり、最後に道場の人たちを集めて一人一人に昇段、昇級を伝えて父は僕に免許皆伝を許すと伝えました。

「もっと教えてやりたかったけど、それでも一番大事な流姿(渋川流で一番最初に学ぶ形で奥義と言われています。)はお前に伝わった」と言いました。


父が亡くなってから6年後に母の病気が見つかりました。

それが初演のラストアイランドの時でした。


なんとなくナニワ悪名伝の貞治は自分の事とも重なり、貞治が母にそば打ち教えてくれと言うシーンは胸が熱くなっていました。


主人公の朝吉も僕の方にもモデルがいて、父のお弟子さんで免許皆伝者がいてその先生は父が亡くなった後もずっと道場を支えて面倒を見てくれています。


モデルの方は父より年下だったので舞台とは逆ですが、


まあ、いろんな思い出が蘇る不思議な舞台でした。


その前にボツになったストーリーはこれまた、実際に僕が経験した実話がたくさん入っていましたが、それはまた別の機会に別の形でもっとレベルアップしたら作品にしてみたいと思います。


普段は脚本も演出も自分でやるので脚本の説明不足な部分を演出の時に説明したり土台だけ作って演出で組んでいくと言う事を無意識にしてしまっていてして。

今回はその普段の甘えている部分と言うか自分が知らずに甘く作っている部分が露呈してしまいました。

また、それを脚本にちゃんと描けるようにならないとダメだと痛感しました。


萩庭監督がいらっしゃってからの数日間は本当に濃厚で、たくさんの気づきや学びがありました。


萩庭監督は本当に面白くないと思った時は面白くないとはっきり言った上で何がダメなのか本当に細かな部分の作り込みまで詳しく説明してくれました。


もっと沢山の映画や舞台を観ろ、それがいつかお前の作家の助けになるからと。


それに俳優も作家も人間力が必要になるんだ。と


打ち上げの時に萩庭監督に「佐竹が力をつけて本当に良い本をかけたら送ってきな」と言っていただいた言葉を胸に今後とも精進していきたいと思います。




次は

7月の「劇場版人狼の詩」

@インディペンデント新1st



8月の本若第十四回本公演『雷天の火~鬼切異伝~』

@近鉄アート館




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まだお知らせできませんがそれ以外に2本客演決まっています。