さてスペインを離れモロッコに行きます。

モロッコへは「RYANAIR」という格安航空会社を使用しました。

 

 

バルセロナから首都マラケシュまで直行便で2時間半。

およそ9000円という破格のお値段!

 

ただし、この「RYANAIR」、

ネット上では「二度と乗るか!」など大変評判が悪い。 

 

というのも利用にあたり厳しいルールが設けられており、

それを破ると次々と追加料金が発生し、気付けばとてもいいお値段になっている、 

 

もしくはルール破ったあんたが悪いんだから、 

有無を言わさず搭乗拒否(もちろん金は返さない)ということらしい。 

 

例えば、搭乗券は自分で印刷して持ってこないといけないが、 

うっかり忘れると、60 EUROも取られるという…。 

印刷くらいタダ…せめて数百円でしてくれよ…。 

 

あとどこかでもらわないといけないスタンプを押し忘れると、

 「はい、あなた乗れませ~ん」と、直前で飛行機に乗れなかったとか。

 

そんな悪評高い「RYANAIR」、
ものすごくドキドキしながら利用したけど、

事前にしっかり調べていたこともあり、特に追加料金は発生せず、 

9,000円オンリーで乗れた。 

よかったよかった。

 

ということでマラケシュ到着!

 

 

ヨーロッパから近いとはいえ、モロッコはアフリカ大陸の国

だいぶアラブっぽい雰囲気が漂っている。

 

 

うん、なんかヨーロッパ離れたんだな~と実感する。

 

 

ホテルに荷物を置き、町をぶらぶらすることに。 

 

すると一人のモロッコ人の男性に声をかけられる。 

 

 

若い男「どこから来たの日本人?僕が色々案内してあげるよ♪」 

 

「いやいいよ」 

 

若い男「君と一緒に町を歩きたいんだよ♪いいからいいから。」

 

 「はぁ。」 

 

ということで声をかけてきた男性と一緒に町をぶらぶらすることに。 

話してみると現地の大学生ということだった。

 

前日、バルセロナでイケメンアメリカ人にプリンセス扱いされたこともあり、 

まあこれもナンパかななんて思った。

 

 

 

キレイな公園 

 

 

町はあまり人が歩いておらずひっそりしている。 

店も半分以上閉まっている。

 

平日の昼だからかなぁ…

ここ、駅のそばだけどえらい閑散としてるなぁ、

 

なんて思いつつ開いていた数少ないレストランに入る。

もちろん男も一緒。

 

 

別についてこなくていいよと言うのだが、

僕が勝手についてるだけだから気にしないでと言われる。

う~ん…。

 

 

店員「こんにちは、いらっしゃいませマダム。 

今はラマダン期間なので特別メニューになります。こちらをどうぞ。」 

と言ってラマダンと書かれたメニュー表を渡された。

 

 

 

 

私「えっ!?今ラマダンなの??」 

 

若い男「そうだよ、今はラマダン。 だから僕はご飯を食べられないんだ。

でも君は遠慮せず食べてね」 と言われる。

 

 

知ってる方も多いだろうが、説明しよう!

 

ラマダンとは…

 

イスラム教徒(ムスリム)が行う約1ヶ月間の断食のこと。

 

行われるのは、イスラム暦の9月。

1年が354日のため、毎年11日ほど前にずれていく。

 

旅をしていた2017年は、5月27日~6月25日がラマダン期間。

(モロッコにきたのが6月4日。もろかぶり)

 

断食といっても、1か月間食べられないというわけではなく、

期間中の太陽が出ている時間は断食する、という決まり。

 

 

なので、日が出てから沈むまでは飲食禁止。

よってイスラム教徒は昼ごはんなんぞ食べれないこととなり、

レストランは観光客向けの一部の店しか開いていない。

 

 

ちなみに食事だけでなく、

水を飲むことも禁止

 

 

食事ができないことよりもこっちがキツイらしい。

そらそーだ。

しかも2017年はこの暑い夏の期間にかぶってしまった。

 

 

全然事前にリサーチしてなかった私は、

まさかの事態に愕然…。

 

 

この後中東のヨルダンとか行くのに、

ラマダン期間なのか…。

 

ごはん屋探し、相当大変なことになりそう…。はぁ…。

 

 

 

冷たい飲み物とパン

 

 

海鮮トマトスープ

 

 

 

当然料理をするシェフも味見とか出来ないらしい。

不安に思っていたけど、それなりにおいしいごはんだった。

 

一緒にいた男はなんかエビの殻をむいたりと色々してきた。

鬱陶しいなぁ…と思っていたけど、

無下に追い払うほどのことでもないしと、とりあえず放置。

 

 

レストランを出て、ブラブラ

日中のためむちゃくちゃ暑い

 

 

 

 

色々観光して回ろうかと思っていたが、

あまりに暑いのでホテルに戻って休むことにした。

 

よく考えたら朝の4時までバルセロナのディスコでイケメンと楽しく過ごし、

5時にホテルをチェックアウト

7時のフライトでバルセロナからマラケシュまで飛んできたので、

結構なハードスケジュールであった。

 

 

ということでホテルに戻る。

疲れてるし、観光は明日にしてゆっくり休もう。

 

若い男ともここでお別れ。

 

 

私「じゃあどうも。さようなら」

 

と言ってホテルの玄関を進もうとすると、

「ちょっと待って」と呼び止められる。

 

 

私「何?」

 

 

男「マネー」

 

 

 

 

 

 

…。

 

私「は?」

 

 

男「街を案内したんだからお金をもらわないと帰れない」

 

私「は?」

 

 

 

 

 

 

出たよ…。

 

 

途上国特有のこのゆすり。

 

 

 

 

私「私は別に街を案内してって頼んでないよね?」

 

男「僕は君を色々なところに案内しただろ。お金を払って当然じゃないのか」

 

私「あなたが勝手についてくるって言ったんだよね?

ほっといていいよってあなたも言ってたよね?」

 

男「でも僕は君を案内しただろう。だから君はお金を払わなくちゃいけない」

 

 

あぁ…

 

なんか聞いたことあるなぁ、そのセリフ。

10年前に行ったインドで毎日聞いたなそういうセリフ。

 

 

わけのわからない理不尽な請求。

 

 

こういうのってアジアでは正直言ってよくある。

ヨーロッパなんかではないけれども。

 

 

ただそこまで豊かとは言えない南米のいくつかの国でもこういうことはなかった。

だからすっかり忘れていた。

 

親切心を装って近づいてくるやつについていくとロクなことにならない、

というインドの教訓。

 

 

こいつなんとなくイヤだなぁとは思っていた。

 

それこそバルセロナでプリンセス扱いされるのとは違う、

なんか警戒するような親切心。

本心から親切にしてくれている感じではない、

商業的な親切心。

 

 

だけど、

前日にイケメンにちやほやされたことで忘れていた。

ただのナンパかなと思ってしまった。

 

 

 

 

自分はプリンセスと錯覚していた。

 

 

違った。

 

 

 

私=日本人=ねぎを背負ったカモ

 

だった。

 

 

 

はぁ…。

 

正直、アジアからこっちに来ていたらひっかからなかった気がする。

なのにこの2か月間、ラテン系のノリに舞い上がり、

すっかり油断していた。

 

それがくやしい。

 

そしてこんな男にプリンセス気分をぶち壊されたことも心底くやしい。

 

 

はぁ…。

 

 

で、どうするかな、と男を見る。

 

 

 

男は汗を大量にかいていた。

確かにくそ暑い。私も汗をかいていた。

 

 

ラマダン期間中で、水も飲めずにひーひー言っている彼を見て、

若干かわいそうにはなってきた。

 

 

私「分かった。いいよ、じゃあこれで水でも買ったら」

 

と、3ディナール(360円ほど)渡す。

まぁこんなもんでしょ。

 

 

「じゃあ」と再びホテルの中に入ろうとすると、

 

 

男「何言ってるんだ!これじゃ足りないだろう!」

と言い出した。

 

 

 

私「はぁ?

 

足りるとかじゃなくて、

私は別にあなたに案内してほしいなんて言ってないよね!

だけど一緒に歩いたんだから、お水代ぐらいは出そうかなと思って渡しているだけ。

 

これ以上は出せない!」

 

男「100ディナール(1,200円ぐらい)くれないと話にならないよ。

 

君日本人なんでしょ?

そんなのたいした金額じゃないだろう

 

 

 

 

 

はい、カッチーン!


 

 

1000円が大したことないか?

 

 

確かに東京で社会人してたら、1時間も働かないで得られる金額だわ。

 

だけど…

 

 

お前は日本人のサラリーマンの大変さを全く分かってないだろう。

満員電車に揺られ、

各方面の利害関係を朝から晩まで調整し、

終電で帰れればいい方、

遅いときは職場に泊まり込んで仕事だって珍しくなかった。

 

そうやって社畜として働き続けて、

ようやく得たお金で私は旅してるんだ。

 

 

1,000円はすぐに稼げた。

だけど、それでも1,000円は貴重なのである。

 

 

 

私「この1,000円が貴重かどうかは、稼いだ私が決めるもので、

あなたが決めるものじゃない。

悪いけどあなたに1,000円は渡せない。(全部日本語)

 

 

 

これでお水買ってください」

 

と、3ディナール(≒360円)ほど渡す。

だいたい3ディナール渡すことすら不本意なんだわ、こっちは!!!

 

 

 

泊まっていたホテルが少し高級だったため、

入口から先には入れないようになっていた。

 

 

私は男を振り切るように玄関を突っ切って階段をかけあがることで、男をまいた。

 

 

部屋に戻って下の方を見ると、入り口の辺りで男がうろうろしていた。

降りれないなーと思ってしばらく部屋の中で待機することに。

 

どうせラマダン中のお昼で、歩いても疲れるだけ。

 

2時間ほどお昼寝をして、下を見ると男はいなくなっていた。

もう日も暮れていたのでラマダンはあけており、

お店もあちこち開いているようだった。

 

すっかり日も暮れた。

 

 

 

それにしても北米・南米と旅をしていたけれど、

この「ぼったくり」だったり、「ゆすり」だったり、というのはなかった。

 

なんとなくアジア方面に近づいてきたんだなぁと感じる。

 

しかもやり口が10年前に旅したインドのようだった。

詳しくは次回にお話しします。

 

 

ではまたさようなら。

ビッサーラーマ!