数日前、震災に対するTVの報道が落ち着いてきたことに触れた。
業界の"仕組み"は俺にはわからないけど、
スポンサーが宣伝費を出し渋ってるなんて言う話も聞くし、
"諸事情"っていうものがあって、いつまでもこの事柄を放送していく訳にもいかないんだろうね。
最近観た新聞、グラフ誌なんかでは、ひと月以上たった今でも
現地(もう被災地というのやめますね)の大変さを伺い知ることができるのに。
こんな記事を目にした。
福島ナンバーの車が落書きされたり、「どけ」と言われる。
ホテルへの宿泊を拒否される。
避難している子どもが「放射能がついている」といじめられる。
首都圏のガソリンスタンドで『福島ナンバー』お断りの張り紙を見た。
レストランで入店を拒否された。
レタスを1玉800円で売る露天商がいた。
大地震、津波、原発事故という人類が経験したことのない災害に遭いながらも
なんとかがんばってる方に対してこれはないのでは?
もちろん、ほんとに一部の人間の仕業なんですけどね。
こーいう人達はどんな心境かわからないけど、
"あなたたちのしてることは恥ずかしいことなんだよ"っていうのを教えてあげるというか、
こういうことこそTVなんかを使ってアピールしたり、ACのセンスのいいCMで放送すればいいのに。
法務省がこのことについて緊急声明を発表し、
福島第一原子力発電所の事故を受け「人への風評被害」が相次いでいるのは、
今回の事故に対する無知さが原因だとしているけど、
なら、なおさらTVやマスコミを使って周知徹底していかなければならないのでは?
法務省のホームページなんて誰も観ないやろーからね。
"根拠のない思い込みや偏見で差別することは人権侵害につながる"とあるけど、
これはもう、立派な"人権侵害"で立派な"犯罪"ですよ。
俺が知らないだけかもしれないけど...
16年前の震災の時はこーいう話はあんまり聞かなかったぁ。
関西特有の気性なのかもしれないけど、
"なってもうたもんはしゃーないし、がんばっていくしかないやろー"って、
被害に遭った人も、それを支える人も、みんな一緒になってたような気がする。
みんなにそんな"意識"があったから、あんなに早く立派に復興できたんだと思うしね。
時代の流れなんかなー。
被災直後にネットやメールでデマが広がったりもしたけど、
遅ればせながらも"それは間違いだよ"っていう情報もTVなどで次々に流された。
そうすることで、良い方向に向かっていく事だってある。
これが本来のマスコミの強さなのでは?
TVで放映された(んだよね?)福島県産の野菜なども、支援する動きが各地に広がって
今では、果汁飲料やトマトはネットで大人気なのだそう。
TVで現地の状況をきちんと伝えていれば、
誰も"差別してやろう"なんて思わないと思うんだけどなぁ。
結局、あの日の衝撃を忘れてしまってるんじゃないんかなぁ。
くだらない(失礼。)コメンテーターなんて雇わず、
こういう情報、現地の今なんかを、
風化させることなく常に放送していくべきだと思うんです。
もうひとつ。
支援のために集められた救援物資の多くが、現地に届けられないまま大量に保管されているという事。
ある市の話ー。
現地の要望を地震直後に聞き取って、
3月22日から物資の受け付けを新品の5品目に絞って開始したんだそう。
で、4月7日までに毛布3593枚、タオル10万177枚、ウエットティッシュ2万7621個、紙おむつ19万9073枚、水(ペットボトル入り)8566本が集まった。
それが、いざ発送しようという時点では、すでに必要とされていなかった。
岩手、宮城、福島県に必要な品目と数を問い合わせたんだけど、要望は少なかったそう。
今現在、何トンもの物資が山積みとなって保管してあるんです。
なんと言うことでしょう。
"やっと自分たちも役に立てる時が来た"っていう
せっかくの善意が生かされなかった訳だけど、これも誰が悪い訳でもなくて...
大事なのはタイミングなんですよね。
しいて言うなら、以前の失敗を活かせなかったのかと。
ほんと、ムズカしい問題ですが...
国も地方自治体も大変で、細かい所まで手が回らない今、
個人レベルでもう一度考えてみること、たくさんあるのでは?って思います。
