昔ハワイに行った時、
あるおばあさんと話をしたときのこと。
”ハワイっていいところですね。できることなら住みたいくらい。”と言うと、
”でもねぇ、ここには何も無いからねぇ”と。
”何も無くてもいい。サーフィン出来ればそれで十分。”
当時の俺はそう思ってた。
逆に何も無いくらいの方がいいって。
おばあさんは”でも、長く住んでいるとやっぱり飽きてくるものよ”と言う。
おばあさんは日本人で、30年ほど前にハワイへ来た移民の第1団だそう。
ふるさと広島から遠く離れたこの島でずっと働き詰めだったのよ、と。
サーフィンとかフラとか、ハワイの音楽や海。
この島には魅力的なものがたくさんあるけど、
仕事を求めてしかたなくこの島へやってきて、荒れた土地を耕し、
自分の為、この島の経済の為にずーっと働いてきたのかなと思うと
”ごくろうさまです”と言うしか出来なかった。
でもおばあさんは”この島は大好き”と言ってたのがすごく印象に残った。

いいホテルなんて泊ったことが無く、
ビーチから遠い、アラワイ運河に近い安いコンドに泊る。
”住めば都”?なのか、いつからかこの景色が見れないと寂しく思うようになり、
ワイキキのにぎやかな所から遠いこの地域をあえて選択するようになった。
でもオーシャンビューにはやはり憧れる。

貧乏サーファーなので、これくらい何も無くても平気だと思うんだけど。
実際住んでみるとものたりなくなってしまうんかなー。

ハワイ諸島は海底火山の噴火で出来たので日本のと違い山が岩のよう。
”ロッキーマウンテン”てこーいうのを言うんかな。
大好きなアメ車 ”Ford Explorer” 所有したことは無いけど。

ワイキキでサンセットを眺めててあることに気づく。
浜辺にはたくさんの人。
どこかのホテルが主催している”夕暮れコンサート オンザビーチ”にも観客がたくさん。
でも、本を読む人も散歩する人も、そこにいる全ての人は
夕日が落ちる瞬間になると、各々のしてることをやめて夕日を食い入るように眺める。
ふっと振り返るとビーチから見えるホテルのラナイからもたくさんの人が。
気づけばコンサートが中断されていた。
この時間はみんなステージに背を向けてしまい、だれも観なくなるのであえて中断するみたい。
どんな素敵な音楽も夕日には勝てないんやなー。
太陽ってこんなにたくさんの人に愛されてるんやなーって。

誰かが言ってたけど、ワイキキビーチから観る夕日は世界でも5本の指に入るみたい。
さて、明日も仕事が無い。
日曜日には波も下がってしまうので、今から北の海へ行こうかな。

こんな波やったらいいのに。