令和仙台人のリアル~続・ナゼか嫌われる仙台人研究序説~ | 暫定・綴れば愉快だ宇都宮 熱視線blog(旧・せんだい熱視線 ジミ都市blog)

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これまで私は、とてつもない大きな認識違いをしていたようだ。

 

仙台は東北一の大都市である以上、街も人も情が深い東北の先端地であると勝手に期待した。20年前に東京からの移住を決めた時には、ムダなストレスが無く、ゆとりを持って仕事や生活が出来ると希望に溢れていたのである。

 

それは、脆くも崩れ去り、日々の生活が始まると、様々な場面で違和感を覚えるようになった。新しい職場は、明るい環境とは言い難く、とにかく陰気。上司から理不尽な叱責を受けた時も、同僚連中は皆見て見ぬふりで、我関せずの態度に虚しさを覚えた。同僚同士もぎくしゃくした雰囲気で、程度が低すぎるなと・・・(転職先だけの特性かもしれないが・・・)。

 

仕事では、企業経営者や行政、教育関係者等、幅広いジャンルの人に会ったが、物凄く強烈な思い出がある。ある企業経営者に会った時の事だ。根掘り葉掘り出身地や学校等を聞かれ、東京出身であるのと、仙台の学校では無いと答えると、優し気に見えた表情が一変し、こちらが色々な話を振っても素気無く、「なんだこの人」と心の中で首を傾げた。

 

2ヶ月程経ち、再び彼を訪問すると、「あなた誰?」とでも言いたげな顔で、名刺を渡そうとするのを制し、「先々月、お目に掛かりまして・・・」と言うと、「前も来たのすか?」と怪訝な表情だったのが不思議だった。私はあまり顔を忘れられた事が無いから尚更だ。

 

数ヶ月後、新緑の季節に行われる風物詩”仙台青葉まつり”を観に行った時、山鉾巡行の一行にいた彼を見つけ、「社長!お疲れ様です!いい天気になりましたね!」と声を掛けると、あの時のように「あなた誰?」な表情ながら、ああ知っている人だと頭をコクっと下げたが、反射的にやった会釈に近い印象だ。

 

あくまでも私の意見だが、3回見ても覚えないのは、ビジネスパーソンならありえないと思う。ちなみに彼は、仙台人なら一度は聞いた事のある地元企業の社長(何代目かは知らないが世襲。彼は生粋の仙台っ子)である。決して顔を覚えていないのではなく、私がヨソ者と知って、冷たい態度に変わったと言う事なのだろう。

 

プライベートで出会う人にも、そういうタイプが何人か見受けられた。前に会っているのに「あなた誰?」と言う顔をするのはなんでだろう?仙台の気質と言われればそれまでだが、あれはいただけない。何も分からない人から見ればきっと誤解される振る舞い、20年経っても慣れないリアクションである。

 

ネットで指摘されている”仙台人は感じ悪い”と言う話は、こういう事も含まれているのではないか。前に会ったと言っても、それなりに会話を交わしている訳だから、私にとっては不可解以外の何者でも無い。失礼ながら、”常に人を警戒しているのか””すぐ相手の顔を忘れる特異性があるのか””ヨソ者が嫌いなのか”ぐらいしか理由が考えられないのだ。

 

何でそうなのか?色々調べてみると、2つのキーワードが浮上して来た。時代は江戸時代に遡る。

 

一つ目は、仙台藩が唯一取り潰しの危機を迎えた”伊達騒動”である。簡単に言えば、藩主の跡目争いをキッカケにした重臣達の権力争いがエスカレートし、最後は刃傷沙汰になった出来事だ。詳しくは山本周五郎の小説”樅の木は残った”に譲るとして、TV・映画で何度となく映像化され、ご存知の方も多いだろう。(中でも、1970年NHK大河ドラマが最も有名。NHKには総集編しかVTRが現存していなかったが、2011年に柴田町の”しばたの郷土館”第29話を除く全話がVTR保存されている事が分かり、話題になった。但し、現存するのはモノクロ映像

 

歴史に詳しいと思われる方がネットでこう指摘していた。「伊達騒動は単にお家騒動に留まらず、仙台藩に暗い影を落とした。それまであった自由闊達な風土が失われていったからだ」と。推測するに、対人関係が相手の様子を窺う慎重な態度に変わり、役人である仙台藩士全体、そして庶民にも広がっていったようなのである。

 

二つ目は、伊達の悪政と言われている”五人組制度”だ。一見共同体思想に思えるが、実際はお互いを監視する制度で、絆を生むよりも、まず疑心暗鬼になってしまう。常に息が抜けないから、おのずと対人関係が悪くなっていくのだ。

 

絶対そうだとは言えないが、全く無関係でも無いと私は思う。だが、時代はどんどん進み、今は令和の世の中であるが、悪しき風土は受け継がれ、そんなバックボーンが嫌われる理由なのか。

 

では、令和仙台人のリアルを、ネット、友人・知人への取材、私自身の経験等を交え、次にご紹介したい。

 

※つづく