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🌈96「ライト文芸大賞」

応募期間=立ち読みキャンペーン🧒



📔小説投稿サイト

「アルファポリス」において

「歴野理久」のペンネームにて

私小説「僕のこの恋は何色?」

──を連載中です。


 この度この拙作をアルファポリスの小説コンテスト

🌈「ライト文芸大賞」にエントリーしました。


 つきましては

その「応募期間キャンペーン」として、「長編全300回」の中から、

自選の「96回分」を短期連続掲載致します。


 長編小説の中から抜粋の

「エピソード集」ですが、この前後に興味が持てましたら

是非「アルファポリス本編」の方へお越し下さい。



 最終回です!!!



 リンクは最後に貼ってあります🍀


✴️掲載期間=本日まで

《フォロワーの方には誠にお騒がせとなります。深くお詫び致します》



🦁🐯🐱🐶🦝🐻🐨🐹🐭🐰🦊

❤️🧡💛💚🩵💙💜🤎🩶🤍🩷



✨今回でこのキャンペーンは

おしまいです。

──最後のお話はこれです✨


No,239 少し切ない二人の旅③


 車中の振動に身をゆだねながら、俺たちは黙って時間を過ごしていた。

 今、一夜明けて──もう復路をたどっている。帰りは小田原から、一気に新幹線で東京駅を目指す。


 車両に揺られながら俺は思う。 

 昨夜の就寝前──ナッキーに不穏な言動が見られた。

 本人は、寂しさから少し取り乱しただけだと言っているけど、本当にそれだけだろうか?

 今まで溜め込んで来た感情が一杯になって、ついにその思いを溢れさせたのではないか?

──と思うと、俺も何ともやるせない。


 でも、だからと言って俺に何が出来る?

 俺にとってナッキーは、あくまでも掛け替えの無い親友だ。

──つまり恋愛には成り得ない…… 


 最後にナッキーは「友達」と言う表現であの場を収めてくれた。

 俺はその言葉に甘えた。

 ナッキーの気持ちに気付いているのに、その言葉に乗っかった俺は、情け無くずるい卑怯者だ……


 そして今朝目覚めると、ナッキーは俺にいつもと変わらぬ笑顔を見せてくれた。まるで昨夜の意味深な会話など無かったかのように──。 



 チェック・アウトぎりぎりまで、温泉宿でゆっくりと過ごした。

 宿を出た後も箱根湯本の街を散策し、買い物をしたりお茶を飲んだり、少し遅めの昼食をゆっくりと楽しんだ──。

 そして今、東京駅を目指して新幹線に揺られてる。


 楽しい時間は瞬またたく間に過ぎ去ってしまう。

 わずか二日間の二人の旅は、もう直ぐ終わろうとしていた。

 制限時間が間近に迫ると、人は会話が進まなくなる。俺たちも、何だか沈んだ雰囲気になってきた。


「ナッキーは品川で降りていいのに。明日は仕事なんだから早く帰って休んだ方がいいよ」

「嫌だ!なんでそんなこと言う?東京駅のホームまで行くよ」


「ああ、だからそれが苦手。何だかお別れモードみたいで」

「そりゃお別れだよ。……オレにしたら、次はいつ会えるか分からないんだから」


「だから、次は正月に会えるって!鷹岡に帰るだろ?」

「それはそうだけど……」


(わわわわっ!なんだか既にお別れモードだ。まだ新横浜にも着いてないのに)


 俺はなるべく笑顔を作って、明るい話題を心掛けた。

 でも──小田原から東京なんて、新幹線だとあっという間だ。

 新横浜──品川──

 そして東京駅に降り立った時には、何故か二人とも無言だった。


 乗り換えのために、二人並んで東京駅の雑踏の中を黙って進む。

 俺はこの人混みの中、ついナッキーの手を取りたくなった。いつもならそんないちゃいちゃ、他人の目を気にする俺じゃない筈なのに、その時はそんな馴れ合いがはばかられた。


 何だか時計の針が早く回っている気がする。

 東京駅の新幹線下りホームに到着すると、出発時間まであと数分。もう、別れを惜しむ時間も無い。


「ナッキー、ここまで送ってくれてありがとう。また会える日を待っている」

 俺は柄にもなく右手を差し出した。実は日本人として生きてきて、こうして握手を求めるなんてあまり無かった。

 ふざけた手繋ぎなら何回でもあったけれど、真面目に握手を求めるって勇気が要った。


「理久……本当に、また会えるよね?」

 ナッキーが俺の手を握ってくれたから、俺はぎゆっと握り返した。


「当たり前だよ、また直ぐ会えるよ」

 出発のメロディーが鳴り響く。   

 俺が乗車するのを待っていたかのように、ドアはいともあっさりと閉まってしまった。


 車窓の向こうで、ナッキーが悲しそうな笑顔を見せた。


(え?なに?)


 涙を溢こぼしたのは俺の方だった。


(どうして俺は泣いている?)


 車両はスピードを上げて、俺の視界からナッキーの姿が消え去った──。



(ナッキー、ありがとう。ナッキーがいたから、東京が楽しかった……) 



 涙が流れるのは東京での思い出が混濁したから?

──顔がぐちゃぐちゃ。


 俺は、座席に着く前に洗面所に入った。鏡の中に尋常じゃない俺がいる。


 真っ赤に泣き腫らした自分の顔を見て照れ笑った──。



(注、鷹岡市は架空の地名です)



※──────────※



 このお話は抜粋となります。

 この後、僕とナッキーがどうなったか──興味が持てましたら本編の方へお越し下さい🧒

 お願いします❗



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私小説「僕のこの恋は何色?」

~ゲイとして生きる僕の道のり─────────歴野理久



⬇️本編はこちらからどうぞ⬇️ 



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