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🌈83「ライト文芸大賞」

応募期間=立ち読みキャンペーン🧒



📔小説投稿サイト

「アルファポリス」において

「歴野理久」のペンネームにて

私小説「僕のこの恋は何色?」

──を連載中です。


 この度この拙作をアルファポリスの小説コンテスト

🌈「ライト文芸大賞」にエントリーしました。


 つきましては

その「応募期間キャンペーン」として、「長編全300回」の中から、

自選の「96回分」を短期連続掲載致します。



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 これは新規の観覧者の方の目を引き「アルファポリス本編」のアクセスを上げるための苦肉の策です。 


 なにせ僕には「同人誌仲間」もおりませんし「コミケ」にも無関係です。


 多くの方とのコミニュケーション・ツールとしては、僕にはこの「アメブロ」しかありません。

アメブロの皆さんだけが頼りです💓



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 長編小説の中から抜粋の

「エピソード集」ですが、この前後に興味が持てましたら

是非「アルファポリス本編」の方へお越し下さい。


 リンクは最後に貼ってあります🍀


✴️掲載期間=4/28~5/29

✴️更新=毎日0時、8時、16時

《フォロワーの方には誠にお騒がせとなります。深くお詫び致します》



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✨今回のお話はこれです✨


No,215 とんでもない忘年会

【これは30代前半のお話】


 それは、ある年の瀬の忘年会での出来事だった──。


「え、森山、おまえビール飲むの?大丈夫か?」

 たまたま隣に座っていた俺は、彼が乾杯用のグラスに自らビールを注ぐのを見て驚いた。

「はい、実は酒を飲めるようになりたいと思って、最近少しずつ慣らしていたんです」

「無理しなくていいのに。森山が飲めないのはみんな知っているし、今さら無理強いする人もいないよ?」


「そうじゃなくて、本当に飲めるようになりたいんです。……30過ぎて思うんです。オレの人生って、ただ会社に通うだけの人生なのかな……って」

「おいおい、乾杯の前からいきなり崖っぷちの人生相談か?分かった、席も隣同士なんだし、それこそ年忘れに森山の深刻な悩み、とことん聞いてやるよ♪」


──俺は森山がビールで乾杯するのを初めて見た。

 どうやら彼は30歳超えの憂鬱と仕事のスランプが重なり、その解決の糸口に「酒を飲めるようになろう!」と思い付いたらしい。

 その考えはあながち軽薄とも言えない。確かに日常のストレスを酒でやり過ごしている人も少なくない。

「酒を飲める人は人生を10倍楽しめる」なんて話も聞いた事がある──と、森山は言った。


「で、毎日少しずつ飲んで身体を慣らそうとしているんだね?」

「はい、目の細かい計量カップを用意して、毎日5ccずつ増やしているんです」


「え、それって十日で50cc、二十日で100ccじゃないか!まさかウイスキーじゃないよな?」

「はい、ウィスキーなら少量ずつ飲めるから。でもちゃんと水で割ってますから……」


「だめだめ!危ない危ない!森山、案外とんちんかんなんだな。で、昨日は何日目?どのくらい飲んだの?」

「昨日はそのやり方を始めて五日目で、ウイスキーを25cc飲んだらその後の記憶が無くて……」


「気持ち悪くなったり、吐いたりしなかった?」

「はい、まだそこまでは……」


「ホント、危険だからそれは止めな!そのテンポで飲み続けたら最悪急性アルコール中毒だ。慣らし飲みするならまず毎日はダメだよ。何日か置きにして身体を休ませなきゃ。それに誰かと一緒の方が安心だな。付き合ってくれる友達はいる?」「それが……恥ずかしいけど、実は東京に友達なんていないんす」


(あれ?森山、普段は「いないんす」なんて言わないよな?)

 と俺は気付いた。


「そうか、東京で就職しちゃうと新たな友達なんて作るの難しいよね、地元のようにはいかないだろうし」

「てか、地元にだって友達なんていないんす……オレ、昔から人付き合いが苦手だから……」

──って、おいおい、いつになく身の上話に口が軽くて、何だかイントネーションも変だぞ。明らかに呂律が回ってない。

 と思ったら、いつの間にか顔が真っ赤に紅潮している。ウイスキーどころか、ビールをグラスに二杯飲んだだけじゃないか?!

(あ、俺か?)

 乾杯の後、透かさず二杯目を注いだのが俺だったから責任を感じる。


「森山、大丈夫か?」

「歴野さんが羨ましいっす。女にもモテそうだし友達も多そうだし、オレなんてただ会社に通って図面をひいてるだけなんすよ、その仕事も終われば真っ直ぐ帰って一人っきり……せめて酒が飲めるようになれば飲み会にも誘ってもらえるでしょう?あ、でもオレなんかが付いて行っても何も面白くないっすよね~、オレなんてさ~、どこに行ってもつまんねぇ奴だしさ~。グスン、ゴホゴホ……」


「お~い森山~、おまえ完全に酔っ払っちゃってるぞ~」

 森山は普段こんなしゃべり方はしない。内容もかなりネガディブになっている。


(あ!)


 森山がゴボゴボと自分のグラスに三杯目のビールを注ぎ、俺が止める間も無く一気飲みした。


「あ、ダメだよ森山!もう飲み過ぎ……」

「大丈夫っすよ~、歴野さ~ん、それより聞いて下さいよ~、オレなんて、ホント毎日楽しいこともなくって~」

 愚痴の多い泣き上戸だけれど、どうやら酔うと口数は多くなるらしい。こんなにしゃべりまくる森山を初めて見た。


 森山はその後も「飲めない」と言う割にはトクトクと飲み続けた──後から思うに、自分のペースを弁えていなかったらしい。


 乾杯の後、小一時間も経った頃だろうか?

突然──「……ゲホッ…………あ、気持ち悪い……吐くかもしれない……」 って、こりゃ大変だ!!


 俺は森山を抱えて席を立った。異変に気付いた先輩が俺達の後を追った。

「どうした歴野?森山、具合が悪いのか?」

「済みません、飲めない酒を無理やり飲んじゃって……飲ませた俺にも責任があるからちょっとトイレに付き合って来ます。それでも無理なら、何なら家まで送り届けますから」


「そうか、頼むぞ。歴野も無理せずそのまま帰れ」

「はい、了解です」

 とりあえずトイレに入る。

 俺は森山を便器の前にしゃがませて背中を撫でた。


「森山、吐いた方が楽だよ。大丈夫、俺が一緒だから」

「済みません……グスングスン、歴野さんごめんなさい……」

 彼は泣きながら嘔吐し、俺はそれを介助した。森山の身体はがたがたと震えていた。


「あれ?森山?しっかりしろ!」

──吐くだけ吐いたら、今度は目を閉じてしまった。


(え、意識消失?こりゃ無理だな……)


 俺は森山の身体を抱えて外に出た。こんなじゃタクシーに乗せたって行き先を告げたり料金を支払ったり出来る筈もない。


(仕方がないな……)


 俺はタクシーに同乗し、運転手に行き先を告げた。

 もちろん──行き先は俺の部屋だ。



※──────────※



 このお話は抜粋となります。前後に興味が持てましたら本編の方へお越し下さい🧒



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私小説「僕のこの恋は何色?」

~ゲイとして生きる僕の道のり─────────歴野理久



 ⬇️本編はこちらからどうぞ⬇️



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