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🌈75「ライト文芸大賞」

応募期間=立ち読みキャンペーン🧒



📔小説投稿サイト

「アルファポリス」において

「歴野理久」のペンネームにて私小説「僕のこの恋は何色?」

──を連載中です。


 この度この拙作をアルファポリスの小説コンテスト

🌈「ライト文芸大賞」にエントリーしました。


 つきましては

その「応募期間キャンペーン」として、「長編全300回」の中から、

自選の「96回分」を短期連続掲載致します。


 長編小説の中から抜粋の

「エピソード集」ですが、この前後に興味が持てましたら

さ是非「アルファポリス本編」の方へお越し下さい。


 リンクは最後に貼ってあります🍀


✴️掲載期間=4/28~5/29

✴️更新=毎日0時、8時、16時

《フォロワーの方には誠にお騒がせとなります。深くお詫び致します》



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✨今回のお話はこれです✨


No,192 初恋の相手はだれ?

【これは30代前半のお話】


 友達が気を利かせてくれた。

「理久、せっかく同級生と再会したんだから少し二人で話しておいでよ。僕はもう少しここに居るし、彼もグループから抜けた方が話しやすいだろ?」

 俺は青木君と目を合わせ、言葉にして誘った。

「外でお茶でもする?」

「歴野君が誘ってくれるならオレは嬉しい」


 二人は一緒にその店を出た。

 あえて「お茶」と言ったのは、まだ二人共それほど酔ってはいなかったし、まだ互いの実態も分からずに酒を酌み交わし、気を抜くのも不用心と思ったからだ。

 俺はここ数年、酒のせいで大切な場面を台無しにしてしまう失敗を何度かしている。

──何より俺は青木君を思い出していない。

 初対面の他人と同じだ。


 二人は二丁目から少し外れた大型喫茶店で向かい合った。時間は21時過ぎ──休前日の俺にとってはまだ宵の口だ。

「歴野君とこうして再会できるなんてまるで奇跡だ」

「いや、そうとも言えないよ。この広い東京で普通に同級生と再会するのは希少だとしても、マイノリティな二人がゲイの集まるこの狭い空間で再会する確率は案外高いと思う。

現に同級生や仕事関係者とばったり出くわしたって話は時々聞くよ?」


「そもそも歴野君がゲイだったなんて当時は全く思わなかったな」

「あ、そうだね。俺も青木君がゲイだったなんて知らなかった」

──なんて、実は今こうして向き合っていても未だに彼を思い出せていないのが本当だけど……。


「歴野君は、いつから自分がそうだって自覚していた?」

「はっきり自覚したのは高校に入ってからだけど、でもそれは気付くのが遅かっただけで、俺は生まれた時からゲイだったと自認している。

青木君は?」

「オレは中1。初恋が男だった」「ふーん……」


 正直言って、今までこんな風に昔話から入る交際はあまり無かった。

 相手が中学生時代の同級生となると、さすがに会話の糸口は多い。が、逆にどこまで聞いて良いのか判断に苦しむ。いっそ自分の事を話した方が気が楽だ。


「ごめん青木君、本当の事を言うと俺、やっぱり君の事をよく憶えていないんだ。俺達が一緒だったのって中3の時だけ?」

「そうだよ。歴野君と同じクラスだったのは中3だけ。だから謝らなくていいよ。当時は生徒がすごく多かったし、それにオレなんて歴野君と違って全然地味だったから……」


「別に俺だって目立っていた訳じゃないけど」

「いや、歴野君は背が高いしピアノ上手いし、女子にモテモテだったじゃないか。オレはゲイだからやっかみも無かったけど、男子の中には歴野君に嫉妬して何だかんだ言う奴も結構いたよ?」


「ああ、それはあれだよ。中身がゲイだから女子と絡みやすかっただけだよ。ゲイが女友達に囲まれるってあるあるだろ?」

「まあね、実はオレも女子の方が話しやすかった。中2病男子のエロ話にはうんざりだったからな」


「ところでなんだけど……中1からゲイを自覚していたって青木君なら、本当は俺と圭の事も察知していたんじゃない?」

「え?歴野君、あの圭君とどうにかなっていたの?」

 どうやら青木君は圭の事も憶えているらしい。はっきりとその表情が動いた。


(まさか、青木君の初恋の相手って圭のことか?!)

──そうなると、うかつな事もしゃべれない。


「いや、どうにもなって無いよ。

なんにも無いけど、ほら、あのクラスでは俺たち仲が良くて、結構べたべたしていたように見えただろうから……」

「え……その、歴野君と圭君ってより、その、佐藤君と三人で仲好しだっただろ……?

オレ……羨ましかった……」


(あ!そういうこと?青木君の初恋って、佐藤のこと?)


「もしかして青木君が好きだったのって、佐藤?」

「あ、うん。今だったら恥ずかし気もなく本当の事が言える。オレ、中1の時に同じクラスだった佐藤君を好きになって、だけど中2で離ればなれになって、でも中3でまた一緒のクラスになれてって、オレの中学時代、ずっと佐藤君だけの3年間だった」

 青木君は淋しそうに下を向いた。



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 このお話は抜粋となります。前後に興味が持てましたら本編の方へお越し下さい🧒



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私小説「僕のこの恋は何色?」

~ゲイとして生きる僕の道のり─────────歴野理久



⬇️本編はこちらからどうぞ⬇️ 



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