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🌈69「ライト文芸大賞」

応募期間=立ち読みキャンペーン🧒



📔小説投稿サイト

「アルファポリス」において

「歴野理久」のペンネームにて

私小説「僕のこの恋は何色?」

──を連載中です。


 この度この拙作をアルファポリスの小説コンテスト

🌈「ライト文芸大賞」にエントリーしました。


 つきましては

その「応募期間キャンペーン」として、「長編全300回」の中から、

自選の「96回分」を短期連続掲載致します。


 長編小説の中から抜粋の

「エピソード集」ですが、この前後に興味が持てましたら

是非「アルファポリス本編」の方へお越し下さい。


 リンクは最後に貼ってあります🍀


✴️掲載期間=4/28~5/29

✴️更新=毎日0時、8時、16時

《フォロワーの方には誠にお騒がせとなります。深くお詫び致します》



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✨今回のお話はこれです✨


No,181 迷走の果てのため息

【これは30歳の時のお話】


 俺は──そうだ!僕じゃなくて俺は、冷静そうな表情を作って亮ちゃんにたずねた。


「亮ちゃん、何しに来たんだよ……」

「ずっと会いたかった。俺、今でも理久が…」

「止めろ!」

 と俺は遮さえぎった。


「結婚してるけど本当は男が好きだって不倫している人は大勢いる。でも、俺はそう言う人の相手にはならない!」

「理久、俺はあれからも男は理久しか知らない。あんな風に終わってしまったけど、今でもずっと理久が好きなんだ」

 その言い草にムカついた。


「だって奥さんは?」

「結婚はしたけど、それを後悔はしていないけど……でも、恋とか愛とかじゃない。なんて言うか……」


「結婚している人はみんな同じ事を言うけど、俺はそれを受け入れられない。亮ちゃんが欲求を満たすためにどこで何をしようとそれをとやかく言うつもりは全く無いけど、でもその相手は俺じゃない!」

 気色ばむ俺に対して、亮ちゃんは邪気もなくニッコリと笑って見せた。


「俺たち子供の頃から一緒で、この部屋でもよく遊んだな」

「幼馴染みを出すのは卑怯!」

 ベッドに腰掛ける俺のとなりに亮ちゃんが座った。肩に手を回してくる。


「理久……」

「………やだ」


 正直、肩を抱かれた感触が昔と違う。何だか腕が逞しくて、それに仕草も堂に入ってる。

 顔だって、シェイプされた身体に会わせてシュッとなってる。


(亮ちゃん、かっこいい……)


 俺も東京に帰れば、また辛い片想いが待っている。どんなに好きでも決して報むくわれない恋──


(広橋君……俺は辛いよ……)


 隣には、かつてあれほど大好きだった亮ちゃんがいる。俺の肩を抱いている……………


(このまま、一回くらい抱かれちゃってもいいのかな?)


 ふらふらっとよろめいて、ついその胸に顔をうずめた。



(え?)



 違う!

 匂いが違う!

 あの甘い匂いと全然違う!

(女物の香水の残り香?)


 俺は両手で亮ちゃんの胸を押しのけた。

「帰れ」

「理久?」

「もう来るな!」


 俺の冷え切った表情を見て、亮ちゃんは黙って部屋を立ち去った。


(亮ちゃんは、もう俺の知ってる亮ちゃんじゃない……。俺たち、もう本当に終わりだね……)


 亮ちゃんが出て行くのを待っていたかのように、俺の瞳から一筋の涙がこぼれた。


(亮ちゃん……あれからも、男は俺だけだったって?

俺は……亮ちゃんと別れてから沢山の人と付き合ったよ?だって亮ちゃんが俺を捨てたから……。

あのまま変わらず仲好しでいられたのなら、俺だって亮ちゃんだけでいられたのに……)


 その夜は子供の頃の夢を見た。

 あの頃のメンバー総出演。憂いも屈託も無かった少年時代。

──俺はその夢を俯瞰で眺めながらまた涙した。


「ファースト・キスはいつ?」

「俺もあの時が初めて」

──涙が止まらない。


 半分覚醒していながら、俺は夢を見続けることに執着した。


(亮ちゃんの、あの甘い匂いが大好き……)


 もうあの頃には戻れない。


 亮ちゃんはもう、少しもいい匂いじゃなくなった。


※──────────※


 東京に戻った俺には、またぞろ辛い日々が襲い掛かった。


 広橋君が好きで好きで堪らなくって、俺は忘れようと躍起となった。 色々な人を誘ってみたり、色々な人に身を任せたり……。


 でも、誰も広橋君に代わる人なんて現れなかった。

 やがて広橋君は俺の前から姿を消した。

 俺のどうにもならない身悶えは、広橋君が一身上の都合とやらで退職するまで、3年間も続いてしまった。


 高校生の時は自由だった。

 平田とも、片想いながらも沢山の想い出に溢れてる。

 大学生の時はもっと自由だった。 回りの目なんか気にせず、サトシにこれでもかと入れ込んだ。

 でも社会人となり、会社の後輩に片想いしてもどうにもならない。 


 トラブルを避けるため?

 会社での居場所を無くさないため?


 広橋君とは、ひと欠片の想い出も何も無い。 このおしゃべりな俺が、広橋君とは楽しく何かを話した覚えすらない。


 ただただひたすら、広橋君を想っただけ……。


 どうにも成らないからこそ、俺の想いは燃え盛ったの?

 何も手出しが出来なかったからこそ、俺は想いを引きずらせたの? 



 会社を去った広橋君の消息は、その後なにも分からない──。



※──────────※



 このお話は抜粋となります。前後に興味が持てましたら本編の方へお越し下さい🧒



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私小説「僕のこの恋は何色?」

~ゲイとして生きる僕の道のり─────────歴野理久



⬇️本編はこちらからどうぞ⬇️ 



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