ビルが建ち、影の多いこの街に、もうひと月近く雨は降っていない。

だけど、暗く渇いたこの街がボクは好きだ。

嫌いなニンゲンが作った、ビルが創るヨルが好きだ。

ひとりで食うには困らない、この街が好きだ。

夜に溶け込む黒いカラダに、溶け込むのを拒む黄色い星型の目、2段に折れ曲がった尻尾。

やっと見つけた小さな水たまりに映った、ボク。

ボクが映った水は、少し苦い気がした。