※細部改編あり。またもや彼目線です。
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この日ルイはプリンセスを訪ねて城に来ていました。
城下では花を贈り合うのがこの時期の風習だと知ってはいましたが、
予想以上の量の花に埋め尽くされたプリンセスの私室を見て
ルイは思わず、この花どうしたの、とプリンセスに尋ねます。
するとプリンセスはとても嬉しそうに笑って、
城下の人たちが贈ってくれたの、と答えたのです。
それを見たルイは、自分の中のどこかが
すうっと冷えてしぼんでいくのを感じました。
呼び止めるプリンセスに背を向けたまま
振り返ってやることもできずに部屋を出てから、
ルイはプリンセスが自分に贈ってくれた花を思い出していました。
本当は自分も花を贈ってやるつもりだったのに、
先を越されていた上に敵いそうもない量の花を見てしまい、
うつむかずにはいられませんでした。
………
数日後、プリンセスが公爵邸に訪れました。
あれから少し冷静になったルイは、やっぱり彼女にも自分が選んだ花を
贈ってあげたいと考え直し、公爵邸に招いたのです。
淡く透けるような空色の花束からは
見た目からは分からないような甘く澄んだ香りがして、
プリンセスにぴったりだと思いました。
小さな花束にリボンをかけて
プリンセスの待つ私室に戻ると、
彼女はルイの机にあった本の山から視線を上げて、
やわらかく微笑んでくれました。
机の上には、彼女が贈ってくれた花が飾られていて、
きっとそれに気付いたのでしょう。
嬉しそうにしているプリンセスに自分も温かい気持ちになり、
ルイはそっと彼女に花束を手渡しました。
たくさん花をもらっていたから、何を贈ったらいいか分からなくなった
と弁解すると、プリンセスは驚きに目を見開いた後、
頬を真っ赤に染め上げました。
彼女の視線が困ったように泳いで、
机の上で開かれたままの花の図鑑に行き着くのを見て
ルイも思わず胸が熱くなるのを感じました。
プリンセスに贈ったのは、
その香りに夢中になってしまうという“魅惑の花”。
だから、俺に夢中になって
と囁けば、
プリンセスが恥ずかしそうに、
こんなことしなくたって…と小さくつぶやいたのが聞こえて
ルイはゆっくり彼女に口付けました。
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ルイは本当に可愛いですねえ…
本編はまだアランしかやっていないのでわかりませんが、
わたしの中でルイはアラン・レオよりも年上です。
年齢的にはジル寄りだといいなあ、なんて!