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はじまりはスクリーン

ずっと映画好き、50を越えても映画好き。
あと50年は映画が観たい。

体調不良が続き、すっかりごぶさたでしたが、

みなさまいかがお過ごしでしょうか。

すこしずつ映画モードに戻りたいと思っています。

秋らしい和やかな天気&台風モードになってきました。

三連休中には映画館に行きたいな。

 

大好きな映画2000年代

運命じゃない人
2005年 日本 内田けんじ監督

 

 

この映画、もう14年も前になるなんて信じられない。

鑑賞後、渋谷の街をスキップして帰ったこと、今でも覚えてます。


スカっと巧い脚本、

でもって絶妙のキャスティング、

セリフのリアルなことったら、

おまけになんだか気持ちも和んでるし、
続きがみたい、とも思わせてもくれる。
心に重く残るテーマなんかなくても、

粋を尽くした映像技術なんかなくても、
豪華なスターを配してなくても

こんなに映画が作れるんだ。

 

以下、語らずにはいられないので、

めっちゃ長くなりますww

 

婚約解消で質に入れたダイヤモンドが

3500円にしかならなかった真紀。
一人で生きていくんだ!と決意するも、

レストランで「一緒にご飯食べようよ」と
男に声をかけられて 

「いいんですか?!」と

二つ返事で席を移る。


一方いかにも人のよさそうな宮田は

豪華マンションを購入したが、
彼女のあゆみにふられたばかり。
家に帰るなり親友の神田に呼び出され、

待ち合わせのレストランに急ぐ。


そこが前述の真紀のいるレストランで、

真紀に声をかけたのが親友の神田。
宮田と神田と真紀がここでつながる。


神田がふいにいなくなり、

行くところのない真紀は

宮田のところに泊まることに。
宮田のマンションに着いた二人だが、

急に宮田の元彼女あゆみが尋ねてきて、
ここで宮田と真紀とあゆみがつながる。

こんな風に、どんどん主要人物たちがつながっていき、
宮田、神田、後に登場するヤクザの組長

浅井の3人を中心として、

この一晩の彼らのいる同じ時間と場所が

それぞれ違う角度から描き出される。


宮田と真紀のささやかな恋の物語?

と思いきや、
神田のパートでクライムテイストに

急展開するのには驚いた。
自然にみえた彼らの行動のひとつひとつに

潜む「理由」が明らかになっていく様、

場面と場面が繋がっているのをみる楽しさ、
物語が意外な方向から収束していく過程、
巧いなあ、と唸りながらも、なにか不思議と

落ち着いた気持ちでみている自分。


全体に漂うほのぼのとしたムード、

決して先へ先へと急がないスロウなテンポ。
時間軸操作の名人、タランティーノとは

全然違うスリルのなさ。
それが心地いい、というか新鮮。


と、同時に現代を生きる者たちの

素晴らしくリアルなセリフも聞き逃せない。


神田が不器用な親友宮田に語る
「30過ぎたら自分で何とかしないと

運命の出会いとかないんだ。
席替えも文化祭もないんだから。」

「電話番号を甘くみるなよ。

この数字を知ってるか知らないかで、

知り合いか、もう2度と会わない人か

決まるんだから。」 

などの名セリフ。 


日常会話も実に自然で違和感がない。
監督のセンスを感じる。


不器用だけど本当に人のいい宮田。
神田の言うことにインスパイアされて、

真紀の電話番号のために疾走する彼、

いいなあ。
一見して調子がよくて腹に一物ありそうな

私立探偵神田。
宮田のためと言いつつも小金はほしい、

その正直さがたまらん。 


はかないのか図太いのかわからない女真紀。
考えてることと行動がいっさいともなわない

彼女に共感を覚えるのは私だけじゃないはず。

お金大好き、あくまでズルいあゆみ。
頭のよさと何にも動じないクールさが素敵。

(モデルは峰不二子だって)


プライドは保ちつつ組の経営に悩む

浅井組長。
騙されてもカッとせず利益優先、

素足に白のミュールがいかにもだ。
どこにでもいそうでいないかもしれない、

キャラクター設定の妙。 


宮田にペンと紙を貸すタクシー運転手

便利屋の山ちゃん、

神田の話に聞き入るウェイター、
ほんのチョイ役さえも面白い。


邦画にありがちな既製の曲をかぶせる

イメージ作りの音楽ではなくて、
オリジナルでまとめたBGMも

最高の一晩を密かに演出していたと思う。

以下、思い出せるサプライズなポイント。
鑑賞済みでないとまったく意味不明です。

・一人で生きてくんじゃないんだ~
・宮田の友達だったんだ~
・宮田のために声かけたんだ~
・詐欺師だったんだ~
・宮田の先輩もカモだったんだ~
・トイレからの電話だったんだ~
・組員にみつかったんだ~
・金どっかに隠したんだ~
・探偵の仕事させるんで帳消しなんだ~
・偽金だったんだ~
・山ちゃんの車は宮田の部屋の仕事の帰りだったんだ~
・ベッドの下にいたんだ~
・お金取るんだ~
・タレントとして利用するんだ~
・やっぱり宮田のところに戻るんだ~

よかったよかった、結末もよかった。 

もちろん、2回観に行きました。