Webサービスを運営していると、ユーザー数、クリック率、エラー率、表示速度、コンバージョンなど、多くのデータが蓄積されます。
しかし、数字が多すぎると、本当に重要な変化を見つけにくくなります。
そこで役立つのがデータダッシュボードです。
ダッシュボードを適切に設計すると、現在の状況を短時間で把握し、問題や改善ポイントを見つけやすくなります。
本記事では、分かりやすく実用的なダッシュボードを作るための基本ポイントを紹介します。
ダッシュボードの目的を決める
最初に、「誰が」「何のために」見るダッシュボードなのかを明確にします。
例えば、
-
開発チーム向け
-
マーケティングチーム向け
-
運用担当向け
-
管理者向け
では、必要な情報が異なります。
開発チームであればエラー率やAPIレスポンス時間が重要ですが、運用担当であればユーザー数や利用率の方が重要かもしれません。
指標を増やしすぎない
ダッシュボードに多くの数字を表示すると、情報量が増えすぎて重要な変化を見逃しやすくなります。
そのため、最初に表示する指標はできるだけ絞ります。
例えば、
-
Active Users
-
Engagement Rate
-
Conversion Rate
-
Error Rate
-
Response Time
などです。
詳細なデータは別画面で確認できるようにすると、トップ画面をシンプルに保てます。
KPIを上部に配置する
最も重要なKPIは、画面を開いたときにすぐ確認できる場所へ配置します。
例えば、
月間ユーザー数
前月比
コンバージョン率
エラー率
などをカード形式で表示すると、状況を素早く把握できます。
数字だけでなく変化を見る
現在値だけを表示しても、その数字が良いのか悪いのか判断しにくい場合があります。
そこで、
-
前日比
-
前週比
-
前月比
などを一緒に表示すると分かりやすくなります。
例えば、
Active Users
12,500
+8.4% 前週比
のような形です。
折れ線グラフを使う
時間の変化を見る場合は、折れ線グラフが便利です。
例えば、
-
ユーザー数
-
ページビュー
-
APIレスポンス時間
-
エラー率
などを日別や週別で表示できます。
急激な変化が起きたタイミングを視覚的に確認できます。
棒グラフを使う
カテゴリ同士を比較する場合は棒グラフが分かりやすいです。
例えば、
-
デバイス別アクセス
-
流入元別ユーザー数
-
ページ別クリック数
-
機能別利用数
などです。
項目間の差を直感的に比較できます。
円グラフは使いすぎない
円グラフは割合を見るには便利ですが、項目数が多くなると比較しにくくなります。
例えば、
Mobile 60%
Desktop 35%
Tablet 5%
程度であれば分かりやすいですが、10種類以上になると読みにくくなります。
その場合は棒グラフの方が適しています。
色に意味を持たせる
ダッシュボードでは、色を装飾として使うだけでなく、意味を持たせることが重要です。
例えば、
-
正常
-
注意
-
エラー
のように状態ごとにルールを決めます。
ただし、色だけで状態を伝えると、色覚特性によって分かりにくくなる場合があります。
アイコンやテキストも組み合わせることが重要です。
フィルター機能を用意する
データ量が多い場合は、フィルターを利用できるようにすると便利です。
例えば、
-
期間
-
デバイス
-
国
-
流入元
-
ページ
などです。
必要な条件だけに絞って分析できます。
日付範囲を分かりやすくする
ダッシュボードでは、どの期間のデータを見ているのか明確にする必要があります。
例えば、
-
Today
-
Last 7 Days
-
Last 30 Days
-
Custom Range
などを選択できるようにします。
期間が分からないと、数字を正しく比較できません。
データ更新時間を表示する
リアルタイムではないデータの場合、最終更新時間を表示すると安心です。
例えば、
「最終更新:10:30」
のように表示します。
古いデータを最新情報だと思って判断することを防げます。
異常値を目立たせる
ダッシュボードでは、通常の数字より異常な変化を見つけることが重要です。
例えば、
-
APIエラー急増
-
ユーザー数急減
-
LCP悪化
-
コンバージョン低下
などです。
基準値を超えた場合に警告を表示すると、問題へ早く対応できます。
グラフを増やしすぎない
すべてのデータをグラフにすると、ダッシュボードが複雑になります。
例えば、
重要KPI
→ 数字カード
時間推移
→ 折れ線グラフ
カテゴリ比較
→ 棒グラフ
詳細データ
→ テーブル
というように、情報の種類に合わせて表現を変えることが重要です。
テーブルも活用する
詳細な数字を見る場合、グラフよりテーブルが適していることがあります。
例えば、
| ページ | ユーザー数 | クリック率 | エラー率 |
|---|---|---|---|
| Home | 18,420 | 12.8% | 0.4% |
| Search | 10,850 | 18.2% | 0.8% |
| Detail | 8,760 | 21.6% | 0.5% |
のように表示すると、具体的な数値を比較できます。
モバイル表示も考える
ダッシュボードはデスクトップで見ることが多いですが、スマートフォンから確認するケースもあります。
モバイルでは、
-
KPIカードを縦並びにする
-
グラフを横スクロール可能にする
-
不要な列を省略する
などの工夫が必要です。
読み込み速度にも注意する
大量のグラフを同時に表示すると、ページが重くなる場合があります。
そのため、
-
必要なデータだけ取得する
-
グラフをLazy Loadingする
-
APIレスポンスをキャッシュする
などの対策も重要です。
JLPHのようなサービスで考えること
JLPHのように複数のWeb機能やコンテンツを運用するデジタルプラットフォームでは、ダッシュボードを利用することでサービス全体の状態を把握しやすくなります。
例えば、
-
アクティブユーザー
-
機能利用率
-
ページ表示速度
-
APIエラー率
-
デバイス別利用状況
などを一つの画面へ整理できます。
また、期間比較を利用すれば、新しいUIや機能を公開した後に利用状況がどのように変化したかも確認できます。
重要なのは、できるだけ多くの数字を表示することではなく、「次に何を確認すべきか」がすぐ分かるダッシュボードを作ることです。
まとめ
良いデータダッシュボードは、データを並べるだけの画面ではありません。
重要なのは、
-
目的を明確にする
-
KPIを絞る
-
時系列で変化を見る
-
異常値を目立たせる
-
適切なグラフを選ぶ
-
フィルターを用意する
といったポイントです。
数字、グラフ、テーブルを適切に組み合わせることで、複雑なデータでも理解しやすくなります。
ダッシュボードを継続的に見直し、実際の意思決定につながる情報だけを残すことが、効果的なデータ可視化の基本です。