多くの方は

「東日本大震災の被災地のボランティアなんて、もう、やることないでしょ?」

と思っておられるかもしれません。


JILCA ~東日本大震災 ボランティア~


多くの方が想像される「ボランティア」は、いわゆるガレキ撤去のような「ガテン作業」かと思います。


実際にはボランティアには「心のケア」などの類もあり、まだまだ必要とされいているのですが、物理的なケアにあたる「ガテン作業」ですら、まだまだ必要としている土地があります。

その1つが、牡鹿地方。


牡鹿半島は震災により、半島がいびつにひねられるような形になったそうです。

それにより地面下に空洞ができ、土壌が非常にもろくなっています。

そのため、東日本大震災による影響以外に、その後の豪雨などによりがけ崩れ・土砂災害が多数発生し、1年以上経った今でも、まだまだ作業が増え続ける、という事態になっています。


そのことは、道路を走れば一目瞭然です。

未だにこんなに道路状況が悪い場所は、他ではなかなかありません。


JILCA ~東日本大震災 ボランティア~


そんな牡鹿から与えられたニーズは、「竹林の整備」。

住宅裏の竹林が、津波浸水により、立ち枯れしています。

土砂崩れの原因にもなりかねないし、なにより、既に住宅にあたらんばかりの状態になっているので、安全確保のために整備してほしい、というものでした。


1週間ほど前に大雨が降っており、そのあとに約50本ののこぎりを購入されたそうですが、あっという間に刃が折れてしまい、8本しか残っていない、というので、メンバー有志は、東京、横浜、埼玉、愛知などから、のこぎり持参での参加となりました。


案内された場所に到着してみると、そこにはなんと、15mを超えるような、背の高い竹。

大半は黄色くなって、枯れているのがわかります。

そして、中には、既に倒れてきているものも。 これはたしかに危険です。


竹林にも関わらず津波浸水の影響でヒルが多い場所なので、衣服の隙間からヒルが入らないようあちこちをテープでぐるぐる巻きにしての作業となりました。

寒い日だったのが不幸中の幸いですが、それでも汗をかくので衣服の中はムレムレです。。。


そして、作業中に竹が倒れてくる危険があるので、ヘルメットをかぶり、いざ出陣!

・・・テープやヘルメットはVCさんからの借り物です。このような備品を貸していただけるというのは、本当にありがたいことです。


JILCA ~東日本大震災 ボランティア~


被災地支援ボランティアの活動の中でも「竹の整備」は非常に珍しいため、初めはなかなかコツがつかめずにいたメンバーですが、そこはガテン好きのメンバー達。

まもなく慣れ、大きな竹を切り倒す者と、倒れた竹を運びやすいように小さく切り分ける者に役割分担し、黙々と作業を進めて行きました。


竹を切り倒す際、あまり低い位置で切ってしまうと鹿が入ってきやすくなるので(牡鹿では鹿は害獣になります)、ある程度の高さを残した位置で切ります。

しかしそうすると、今後は自分が前に進めない。

でも、竹は、奥に生えている。。。

半ば、竹にブスブスと刺さりながらの作業となりました。


JILCA ~東日本大震災 ボランティア~


また竹を切り分ける部隊も大変です。

なぜなら、竹は筋がとても固いので、のこぎりの刃がすぐにボロボロになってしまいます。

そんな状態に四苦八苦しながらも、少しでもやりやすいやり方を考案しながら、効率よく作業を進めて行きました。


JILCA ~東日本大震災 ボランティア~


おかげで1.5日作業をしたあとには、竹林はかなりスッキリしました。

すくなくとも、当面、住宅に被害を与える心配はなくなりました。

なにかと苦労の多い被災地の住民の方に少しでも住みやすい環境を提供できたと思うと、嬉しくなってきます。