平成８年９月にこの地で二女順子が殺害され、自宅に放火された、あの忌まわしい事件から、本日で１４年２ヶ月と１０日が経過いたしました。事件は未解決のまま犯人は依然逃走中です。
本来であれば、時効成立まで１０ヶ月を切るという、まさに切羽詰った段階まで差しかかっているはずですが、幸い、本年４月に凶悪犯罪の時効が撤廃されたことにより、犯人は逃げ切る事ができなくなり、捜査は引き続いて継続されることになりました。
被害者遺族にとりまして、明日は犯人が逮捕されるのではないかという期待を持たせてくれる、ありがたい法案が成立したわけです。
そのことが気持ちの上で一つの区切りになり、永い間更地のまま放置しておりましたこの土地を、地元の安全・安心のため何とかお役に立って欲しいという願いで、この秋、地元消防団の格納庫の建設に至りました。
先月、２階建ての立派な格納庫が完成し、地元消防団の皆さんも大変喜んでいるとお聞きしております。
それはそれで、私たちにとっても大変嬉しいことに違いはありません。しかし、以前の景色が一変してしまい、我が家の事件が忘れ去られてしまうのではないか？という危惧を持ちました。まさに事件が風化してしまうことを恐れたわけです。
そこで、このたびこのような地蔵を設置するに至った背景には、①一刻も早く犯人を逮捕し、真相を究明すること、②あの忌まわしい事件を永く記憶に留めること、そして③再びこの地域から凶悪犯罪や災害が起こることが無いようにとの願いを込めて「順子地蔵」を建立いたしました。
これをきっかけに、このお地蔵さんが地域の皆さんから親しまれ、併せて私たちの念願が叶うことを祈っております。
平成２２年１１月１９日
