お母さんに連絡しなきゃ…



そうですね…



電話を入れる

ジョングクは僕の手を握ってくれていた




ジミン…



お母さん…ごめんなさい…

僕…



無事なのね?

ジョングク君も一緒?



あっ…うん…



そう、よかった…

2人が一緒ならそれでいい…




勝手に学校休んで…

心配かけてごめんなさい…




たまにはいいんじゃない?

2人でゆっくり話する時間出来たでしょ?




うん…




でもね…ジミン…

相手の親御さんに心配かけちゃダメよ

ちゃんと連絡して

話せばわかってくれるわ

どこの親もかわいい子供の将来を

案ずるのは当たり前

ましてや特別な2人だから…尚更ね…

反対してるんじゃないの

ただ心配なだけ…

それはわかるでしょ?




わかってるよ…全部…




お母さん…ジョングク君の事思い出したの

また帰って来たら話すわね

ジョングク君に代わってくれる?




わかった…


ジョングクに電話を渡す



お母さんが話したいって…



ジョングクは深呼吸してから話出した



もしもし…ジョングクです




ジョングク君?

無事で良かったわ

お兄さんが来てくれてね

親御さんの事聞いたわ

反対してるんじゃないのよ

あなたの気持ちはちゃんと伝わってる

お兄さんも理解してくれてたわ

だからちゃんと連絡してね




迷惑かけてすみません…

ちゃんと連絡します、必ず…




今日は2人どうするの?

帰って来ないつもりだったんでしょ?




……はい…




わかった…

学校は?どうするの?




ここから行きます

朝早く出れば間に合いますので…




じゃあ、ジミンをよろしくお願いしますね




はい…




お母さんとの電話を切った



次はグクのご両親に連絡しないと



ジョングクはしばらく携帯を持ったまま

何かを考えていた


僕は隣で何も言わず

ジョングクが行動するのを待った



意を決してジョングクが電話をかける

今度は僕がジョングクの手を握る




もしもし…僕…だけど…




ジョングク?

今どこにいるの?



遠くの山…

ロッジにいる



携帯持ってないのに勝手な事して

連絡ないからすごく心配したのよ…

学校からも連絡があったわ




うん…ごめんなさい…




…お母さんも謝るわ…

ごめんね、ジョングク…

あなたの気持ちをちゃんと認めてあげれなくて




いいんだ…

認めて貰える努力…するから…

僕の気持ちは変わらない…

これから先も…何があっても…

絶対変わらないんです…

だから…努力…します…




連絡…ありがとう…

明日は帰って来て…待ってるから…




はい…




グク…電話代わってくれる?

僕からもちゃんと言わなきゃ…




ジョングクは頷き僕に電話を渡す




はじめまして、パク・ジミンといいます

色々ご迷惑をおかけしました




はじめまして…

ジョングクがいつもお世話になってます



あの…

すみません…僕たち…の事…




反対してるんじゃないのよ…

本当に好きなら仕方ないでしょ?

誰を好きになるかなんて自分でも

わからないものよ…

ジョングクはあなたがいいの

ジミン君が迷惑じゃなければ

受け入れてあげてくれる?

あの子は一生懸命で真っ直ぐだから



迷惑なんかじゃありません

僕もジョングクが大好きだから



良かった…あの子の初恋が報われて

よろしくお願いしますね



僕…大切にしますから…



ありがとう…ジミン君…




ジョングクのお母さんに

お礼をして電話を切った




一度深呼吸をして自分を落ち着かせる




…家族って…すごいね…




うん…すごいです…




僕たち…まだまだ子供…だね…




子供…です…




まだ…電車…あるかな…




まだ…ありますよ…




帰ろうか…




帰りましょう…




顔を見合わせて笑う




リュックを背負いロッジを出る

定食屋さんに寄り鍵を返す



ありがとうございました

やっぱり帰ります



そうなの…気をつけて帰ってね

また遊びに来てね



はい、また来ます…




…幸せになるのよ…2人で…




えっ?




好き同士なんでしょ?

とてもお似合いよ




あっ…ありがとうございます




必ず…2人で…来てね…




はい、必ず…2人で来ます…




おばさんは僕たちに手を振り

いつまでも見送ってくれていた

何度も振り返り手を全力で振った




人のあまり乗っていない電車に揺られ

自宅へ向かった




僕の家の前に着く




1人で大丈夫ですか?




大丈夫…グクも帰らなきゃ…




そう…ですね…




…行って…大丈夫だから…




…でも…やっぱり心配です…




家の前で躊躇っていた時

玄関のドアが開いた




お母さん…




ジミン…ジョングク君…




お母さんは僕たちのとこへ駆け寄り

2人を抱きしめてくれた




おかえりなさい

無事で良かった…




心配かけて…ごめんなさい…




無事ならいいの…無事なら…




すみませんでした…




謝らなくていいの…




そう言ったお母さんは

涙を流しながら優しく微笑んでくれた


僕たちのことを

こんなにも想ってくれている

そんな人を悲しませちゃいけないと

心から思った




ジョングク君うちに泊まっていきなさい

お母さんには私から連絡するから



えっ…



お願いされてるのよ

だから大丈夫



いいんですか?本当に…



本当に大丈夫だから…

疲れてるし、まだ一緒にいたいでしょ?



えっ…いや…はい…



ジョングク君は素直ね

ジミンも一緒がいいはずだから…

ねっ?



うん…一緒がいい…



早く入りなさい



お母さんは玄関を開けてくれた



この日の夜は

大好きなジョングクと

一緒にいる事を認めて貰えた喜びと

隠さなくていい安心感で

ぐっすり眠ることができた




翌朝スッキリ目覚める


隣には口をポカンと開けて眠るジョングク

どんな姿も愛おしい


そっとおでこにキスをする



『いつまでもこのままで…いさせて下さい…』




僕の人生でこんなにも

幸せを願ったことはない…

儚く消えそうな僕たちの恋を

大切に優しく包み込みながら

共に歩むこれからの人生を考えていた





(つづく)




画像お借りしました。ペコリm(_ _)m