表参道駅の5番線ホーム端から、渋谷方のトンネルに
目を凝らしてみると、現在のホームに続く様にして
実はこの廃ホームこそが、1938年の開業時に
使用されていた、旧表参道駅の遺構なのです。
既に役目を終えたとはいえ、タイル張りの壁や
現在は幻の新橋駅と同じく、保線作業時の
資材置き場として此処が活用されています。
渋谷行きの銀座線に乗車すると、発車して
すぐにこの廃駅を見る事が出来ますよ。
因みに当時は「青山6丁目駅」と呼ばれていました。
それが後に神宮前駅と改称し、更に千代田線の
同じ時期に発生した千代田線との連絡トラブルを
改善する為に移転したのが、現在使用されている
そう言えばこの当時の改札にはまだ切符が無く、
代わりに10銭の白銅貨を入れていました。
運賃も各駅ともに均一でしたので、現代のパスモや
Suicaに慣れた世代には羨ましいシステムですよね。
因みに移転の決まった78年と言えば、まだ橙色の
2000系や1900系達が現役で活躍していた頃です。
あと余談ですが、銚子電鉄のデハ1001もこの頃の
現在の1000系の前照灯が2つに増えたのも、実は
その2000系の前面を復刻しての事なんだそうです。
これを「主灯」として採用したのも、今回が初なんだとか。
かつての喧騒を物語る物品はすでに無く、ただただ
時間が停まった様に、そのホームだけが残されていました。
皆様も表参道駅を利用される事がありましたら、是非
この昭和情緒溢れる旧駅へ足を運んでみてください。