オランダやフランスの交通法の具体的な内容が知りたくて、最近は海外のサイトを訪問することが多い。しかし、ぼくはオランダ語はまったくちんぷんかんぷんだし、フランス語も大学の教養課程でとった第二外国語だけれども、こっちも授業をサボりまくっていたのでちんぷんかんぷんだ。それで、google 翻訳を使うのだが、これもこなれた日本語とはとうていいえない。たとえば、オランダの「交通規則と交通標識の規則」(日本の道路交通法にあたるもの)の3条だけれども、


Artikel 3

1. Bestuurders zijn verplicht zoveel mogelijk rechts te houden.
2. Fietsers mogen met zijn tweeën naast elkaar rijden. Dit geldt niet voor snorfietsers.


この日本語訳は、

第3条

1.ドライバは、できるだけ多くの権利を維持するために必要とされる。
2.サイクリストは2並んに乗ることを許可されています。これはモペットには適用されません。

というぐあいになっていて、これじゃさっぱり要領をえない。


それで、オランダ語→英語に翻訳して、

Article 3

1. Drivers are required to keep as much right.
2. Cyclists are permitted to ride two abreast. This does not apply to mopeds.



それから日本語に翻訳するという大変面倒な手続が必要になる。

第3条

1.ドライバはできるだけ右に保つために必要とされている。
2.サイクリストは2並んに乗ることを許可されています。これはモペットには適用されません。


1項はいわゆる「キープライトの原則」。
2項はあいかわらず意味をなさないから、英文に直接あたって約すしかない。すなわち、自転車利用者は、「mopeds」を除いて並進が許される。


それにしても、オランダの道交法は実に簡にして要を得ている。それに引き換え、日本の道交法の条文ときたら、複雑でわかりづらくて、人に理解してもらおうという発想がそもそもない。


ということで、最近は英和辞書をよく利用しているのだけれども、それでも意味がとれないことがよくある。けっきょく辞書にのっている意味というものは、いろんな用例から導き出された最大公約数的な意味だから、個々具体的な場面での、適訳ということにはなかなかならない。字引的意味の個々具体的現われである用例や、ひいては文化まで知らないと、ぴったりの訳というのはむずかしい。


若いときに英語の勉強をもっとしておくんだったと、いますごく後悔している。海外旅行をしていて盗難にあったという本当かどうかうさんくさい保険金請求事案で、海外のサイトを調べる調査を何度もやったことがあるが、サイトを調べるだけで何週間もかかって、けっこうきつい調査だったことを思い出した。ぼくにはやっぱり荷が重いなあ。中国語のほうも、いまいちだし。



ところで、ぼくは日本語に関して「てにをは辞典」を愛用している。ふつうの国語辞典には字引的意味は載っているけれども、用例までは載っていない。この辞典は、字引的意味は一切載せておらず、二つ以上の言葉の結びつきに注目して、その適切な例をいっぱい採録した辞典だ。だから、用例を考える際にとても参考になる。

てにをは辞典/三省堂

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(追記)
海外の盗難事案の調査手法に興味があるようでしたら、こちらの記事も。