早いものでもうすぐ一年が経ちます。
思い起こせば、長かった闘病生活中には何もしてあげることができず……
抗がん剤の副作用に苦しむ母の姿が、
今でも、思い浮かんび…。
特に、髪の毛が抜け落ち、
体が徐々に小さく痩せ細り、
その姿を間近で見ているのは本当に胸が押しつぶされになる思いでした。
本来、私は高野山真言宗の僧侶ですので、きちんと剃髪をして僧侶らしく威儀を正しておくべきですが、今はある決意のものと、剃髪をせずに髪を伸ばし続けております。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、「ヘアドネーション」(毛髪の寄付)なるものがあります。
がん治療(小児がんや白血病)や難病、不慮の事故などによって大切な髪の毛を失ってしまった子供たちや女性、そうした方々に人毛100%の医療用ウィッグを作成し無償で提供しているというものです。
母への恩返しのつもりで、
少しでも何かのお役に立つことができればと思っております。
ですから、ここしばらくは長い髪のままの状態で皆様方とお会いすることも...。

それでは、これからもたくさんの皆さんとの仏縁を心より楽しみにしております。
皆さんのさらなる明るい未来を、益々のご発展・ご健勝をご祈念いたしております。
合掌
高野山真言宗修行僧 天宮光啓 九拝