密教は「所作・行・瑜伽・無上瑜伽」の四つの「タントラ」(経典)に分類されます。
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■ 密教経典の分類
※ チベット仏教を代表する大学者プトン(1290~1364)による四分類説
● 所作タントラ
インド初期の密教経典
ヒンドゥー教の呪術的要素が包摂され発展
印契、呪文・陀羅尼・諸仏尊の供養法、作壇作法etc
● 行タントラ
『大日経』を代表とする外的な作法に内観をとりいれたもの
● 瑜伽タントラ
初会の金剛頂経』(『真実摂経』)を代表とし、
観法(かんぽう)による仏と行者の合一に重点がおかれたもの
● 無上瑜伽タントラ
明妃、女性パートナーとの性的行法等(昇華)
秘密集会タントラなどの方便・父タントラと、
『ヘーヴァジラ』、『チャクラサンヴァラ』などの般若・母タントラ、
『カーラチャクラ(時輪)タントラ』の双入不二タントラ(三分類)
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特に、瑜伽(ゆが)とは、サンスクリット語「yoga」の音写語です。
原義は「結びつくこと」・「結びつけること」、
“一つにする”といった意味を持つ言葉。
つまり、「瞑想」(止観)することによって、
煩悩を滅し、心を制御して諸神仏へと近づけ"、
「不動」(揺るぎないもの)にすること"。
そして、魔縁(まえん)、
三障四魔(さんしょうしま)をも退け、
金剛薩埵(こんごうさった)、
金剛(ダイヤモンド)のように強靱な精神、
一切の迷いから遠く離れた「恒心」(こうしん)、
「安心」(あんじん)となりて。

この世に不安や迷い、悲しみや苦しみのない人間などどこにもいない。
人生、「禍福はあざなえる縄のごとし」、
幸福も、不幸も必ず交互に巡ってくるもの。
長い闇夜に恐怖し、苦しんだからこそ、
あの夜明け前の、
あの一番静かな「光」を、
誰よりも心おだやかに感じることができる。

今の現状、目の前の事柄だけに嘆き悲しみ、
心をそこだけに留め、
いつまでも悩み苦しんでいてはいけない。
せっかく到来する次の「好機」(チャンス)が見えなくなってしまう。
さぁ、「意識」を解き放とう、
そう決意したその瞬間から、
不思議と希望の光は観えてくる。
もっと、「心」は自由なはず、
もっと、「魂」は清らかなはず、
もっと、“やさしく”なれるはず。
合掌
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注釈:安心(あんじん)
1 仏法の功徳によって、迷いがなくなった安らぎの境地。
2 阿弥陀仏の救いを信じて、浄土往生を願う心。
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注釈:金剛薩埵(こんごうさった)
梵名ヴァジュラサットヴァは、中期密教においては大日如来の教えを受けた菩薩で、密教の「付法」(ふほう)の第二祖。
後期密教においては、(法身普賢(普賢王如来)、金剛総持と並んで)本初仏へと昇格した。
金剛(ダイヤモンド)のように堅固な菩提心を持つと称される。
― ウィキペディア ― 引用・参照
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